■『ブラックペアン2』の続編をやらない手はない

 その一方で、原作ファンからは、《大胆な改変をしつつ、着地点は原作と同じだった、というシーズン1と同じ道をシーズン2もたどりそうでモヤモヤしている。個人的には原作の仇をドラマで取る、的なラストにしてほしいのに……》など、ラストを気にする声が多くあがった。こちらも竹内演じる世良がキーマンになりそうだ。

 今回、公開手術中に患者の徳永が悪性高熱となったところで終わったが、ここまでは“世良のいない公開手術”“悪性高熱”などが原作と同じ流れだ。最終回は、予告での世良の涙、真行寺(石坂浩二/83)の言葉から予想するに、この手術は失敗。最後は天城が日本を去ってオーストラリアに戻り、そこで悲劇に遭う。それを知った世良が涙を流すという、これも原作に近いラストになるかもしれない。

 壮絶なラストになりそうだが、それ以上に気になるのが、ドラマの続編だ。原作では『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』の続編として、医者として成長した世良が、病院再建請負人として活躍する“極北シリーズ”があるのだ。原作に続編があるのだから、ドラマでも十分、ありえる。

 今回、世良は、渡海と天城という過去と現在の師匠との絡みがあったが、そこで見せた竹内の素晴らしい演技が印象的だった。視聴者の声にも世良に関するものが多く、しっかりファンが付いているようなので、竹内主演の続編でも確実に人気を得られるはずだ。これだけの数字を残した作品だ。TBSが作らない手はないだろう。

 原作ファンには、ラストに救いのある改変を願う声も多い。天城と世良にどんな運命が用意されているのか、最終回に注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。