若手イケメン俳優の登竜門として知られる『仮面ライダー』シリーズ。その中でも、特に出世頭として名前が挙がるのは佐藤健(33)だろう。
2007年放送の『仮面ライダー電王』に当時17歳で主演し、主演最年少記録を更新した佐藤はその後、大人気俳優へと成長したが、当時からその演技力は高く評価されていた。
『電王』で佐藤が演じていたのは、極端に運が悪いけれど心優しい好青年“野上良太郎”。『電王』は“ヤンキー系のモモタロス”、“ナルシストの詐欺師ウラタロス”、“人情肌で関西弁のキンタロス”、“子どものリュウタロス”らイマジン(怪人)たちを憑依させて戦う異色作であり、佐藤は“良太郎”をベースに個性豊かなイマジンたちを完全に演じ分けていたことで知られている。
“リュウタロス良太郎”で特技のブレイクダンスをノースタントで披露したり、“ウラタロス良太郎”では現在の佐藤に近い、当時の17歳とは思えない流し目がクールで大人っぽいビジュアルを披露。イレギュラー的に別のイマジンに憑依されるたびに違うキャラを完璧に演じて、当時から天才的な演技力を見せていた。
ちなみに、『電王』に限らず『平成仮面ライダー』ブランドを確立させた東映の白倉伸一郎プロデューサーは、同作オーディション当時の佐藤についてこう話している。
《(『電王』の憑依設定は)説明なくみなさんに演技してもらうんですが、台本の意図を正しく理解してふくらませて演じたのが佐藤健君だけでした。仮面ライダーはバトルものですが、そのなかにかわいげや品というか、惹きつけるポイントがあるべきだと思っています》(2018年の『オリコンニュース』)