日本テレビの朝の情報・報道番組『ZIP!』(日本テレビ系)が、スタートから13年目にして窮地に陥りつつあるようだ――。

 日本テレビは9月18日に「改編説明会」を実施。同局は2024年度の地上波視聴率・配信について、それぞれ編成戦略目標を設定。その目標は、視聴率では「コアターゲットに振り切り、圧倒的にトップ」、配信では「TVer総再生数トップ」というものだったという。しかし、今年4月クールについて「コア・個人全体ともに視聴率は大変厳しい結果となりました」と発表した。

 より多くの視聴者の支持を得るという本来の目的のため、年度の途中ではあるものの「『視聴率目標』を見直し、従来の『個人全体視聴率・コアターゲット視聴率両方3冠』に戻すことにしました。各番組は『2023年の個人全体・コア視聴率を超える』ことを目指し、その結果『個人・コア3冠』につなげます」とした。

 そのうえで『ZIP!』を3部制にするとも発表。「第1部を関東ローカル番組とすることで、系列各局が“地域に根ざした情報”を伝えやすくなります。『ローカル』、『全国ネット』2つの力で、日本テレビだけではなく、各エリアの視聴率アップ、そして『ZIP!』ブランドの価値を高めます」とも説明した。

 10月以降『ZIP!』は、1部(午前5時50分~6時54分)が関東ローカルに、2部(午前6時54分~7時55分)が全国ネット(ローカル差し替え可能ゾーンあり)に、3部(午前7時55分~午前9時00分)が全国ネットになる。

「早い時間帯、関東地方は今まで通り最初から『ZIP!』を見ることができますが、それ以外の地域はその地方独自の番組を放送することになるということですよね。つまり、地方では『ZIP!』の需要がないと判断されたということでもある。地域に根差したニュースを放送したほうがニーズがあり、視聴率も期待できるということではないでしょうか。

 21年3月、前任の桝太一さん(43)に代わって水卜麻美アナウンサー(37)がMCに就任すると決まったときにはライバル番組の『めざましテレビ』(フジテレビ系)を一気に食うのではないか、とまで言われた『ZIP!』ですが、現状全くそんなことはなく、現在に至るまで『めざましテレビ』の天下が続いています」(制作会社関係者)

 テレビ各局は13~49歳のコア視聴率を重視しているが、午前7時台の『めざましテレビ』のコア視聴率は3%台中盤から後半。一方の『ZIP!』は3%前半を推移しているという。

「同時間帯の番組では『ZIP!』がコア視聴率で2位につけていますが、1位の『めざましテレビ』に明確な差をつけられてしまっているんです。

 番組では月替わりのパーソナリティーとしてオードリー春日俊彰さん(45)や南海キャンディーズしずちゃん(45)などを出していますが、これも番組をよりにぎやかにするため、何とか数字を上げるためのテコ入れ策だと言われています。ただ、それも奏功していないようですね。

 加えて、『24時間テレビ』(日本テレビ系)放送にあたって水卜アナが『ZIP!』内で“涙の謝罪”をしたことも視聴者離れにつながったのではないかとも言われています」(前同)