時流に乗らず、政局に流されなかった頑固で不器用な男がついに日本のリーダーに――。
9月27日の自由民主党総裁選挙で高市早苗氏(63)との決選投票を制し、自民党の新総裁に選出された石破茂氏(67)。近く、国会での首班指名を経て、新総理に就任する。
そんな石破氏は、「ラーメン&インスタント麵好き」という意外な一面を持つ。今回は、今夏そんなブレない男にインスタント麺の愛食歴を伺いつつ、『カップヌードル』11種類の食べ比べをしてもらった記事を、緊急再掲載する――。
※ ※
■私にとって“青春の苦労の味”
――初めてインスタント麺を食べたのは、いつですか。
「幼稚園の頃ですね。昭和36~37年くらいに初めて『チキンラーメン』(日清)を食べました。私は知事の息子だったので、知事公邸で、お手伝いさんが作ってくれたのが最初です。第一印象は“何だこれは。不思議な食べものだな”。母は“インスタント麺ばかり食べてはいけない”という教育方針だったので、その後は何となく隠れて食べていました。親がいないとお昼に“チキンラーメン”をねだったりしていたなあ」
――その後、『出前一丁』(日清/昭和43年発売)がお気に入りになったとか。
「中3の受験勉強時、夜中にお腹が減ると、自分でお湯を沸かして『チキンラーメン』を食べていました。あるとき、『出前一丁』を食べたら、“これはなんだ! 『チキンラーメン』と比べたら異次元のおいしさだ!”と驚きました。ごまラー油の風味がおいしくてね。それから夜食は、『出前一丁』一本やりになりました」
――『カップヌードル』との出会いはいつですか。
「(慶応義塾)高校に入るために上京し、一人暮らしを始めてからです。当時、CMなどで大々的に宣伝されていたので、“これは買ってみよう”と。カップにお湯を注いだら、すぐに食べられる簡便さに感動しました。不思議とオリジナルの『カップヌードル』は、いまだに飽きが来ない。味覚も保守的なんでしょうな(笑)」
――当時は、どれくらいの頻度で食べていましたか。
「高校から始まった東京での一人暮らし時代は、1日1~2回食べていた時期もありました。特に、試験前やレポート作成時など、忙しいときはよく食べていたなあ。『カップヌードル』を食べる自分を俯瞰して見て、俺はこんなに頑張っているぞと、自己満足に浸っていましたね(笑)。私にとってこの味は、真剣に机に向かっていた時間とセット。まさに青春の苦労の味ですね」