自分へのご褒美おやつやお酒のアテ。カロリーの高さにほんのり罪悪感にさいなまれながらもポテトチップスを食べる手を止められない……といった経験は誰しもあるだろう。

「日本は、取り扱うジャガイモ加工品の7割がポテトチップスになるほどの『ポテチ大国』。フレーバーの種類の多彩さも日本が随一ですね」(グルメライター)

 いつもの「うすしお」や「コンソメ」「のり塩」も良いが、全国で展開するご当地ならではのポテチも見過ごせないと、お菓子勉強家の松林千宏氏は語る。

「カルビーが展開するフレーバーが有名ですが、ご当地のメーカーが作ったものも数多く存在します。取り寄せ不可なものや、変わり種も多く、見ているだけでも面白いですよ」

 松林氏の協力のもと、レア&美味な全国自慢のポテトチップスを10種厳選しよう。

 現地でしか味わえないポテチの代表は『六花亭ポテトチップス』(200円=税込、以下同)。バターサンドで有名なメーカーだが、実はポテチ開発にも力を入れている。

「米油と食塩を使用し、化学調味料を一切使っていないというこだわりの強さ。店舗と新千歳空港でしか販売しておらず、まさに知る人ぞ知るポテチです」(松林氏=以下同)

カルビーと東京ばな奈のコラボポテチ「じゃがボルダ」(1047円)を買えるのは東京駅だけ。

大谷翔平選手に『人生で食べたポテトチップスで一番おいしかった』と言わしめた逸品。

 カルビーの進化系製法で、旨みを凝縮した液体を厚切りポテトチップスにふきかけて味付けしています。だから外はパリッと、中はサクサクの食感です!」

■肉、鰹節……専門店がつくった注目ポテチ

 ご当地自慢の味、せっかくならお取り寄せにもチャレンジしたいところ。

 静岡県の『かつお節ポテトチップス』(360円)も一時はオンライン販売が中止になる人気ぶりだ。

「実は鰹節専門店が売り出した製品。食べる前に付属の鰹節をかけてシャカシャカ!だから断然香りがいいんです。私の大のお気に入りなのでぜひ食べてみてほしいですね」

 宮崎の「みやざきてげなポテトチップス」(490円)なら、老舗の肉専門店「肉のふくしま」のこだわりの味を楽しめる。

「『てげな』というのは、宮崎弁で『すごい』という意味。単体でも大人気な看板商品スパイスで味付けしており、しょうゆベースの旨みと香ばしさは、おつまみにもぴったりです」

 桃とポテトの意外なマリアージュを楽しむなら、福島の「ももポテトチップ」(464円)はいかがだろう。

どんな味? ももポテトチップ ※画像は公式HPより
どんな味? ももポテトチップ ※画像は公式HPより

「最初に桃の香りと味がして、後にポテトチップスの味に落ち着くように、何度も試作と試食を繰り返したのだそう。桃のやさしい甘さと切れの良い塩気が意外やマッチします」

 最後に松林氏は、ポテチの奥深さを語る。

「災害用にもポテチがあるほど、お菓子は心をほっとさせるもの。気分によって推しが変わると思うので、いろいろ食べてみて欲しいですね」

 たかがポテチと侮るなかれ。

 各県のこだわりを感じながら食べるポテチはまた違った味かも?

松林千宏(まつばやし・ちひろ)
1976年生まれ。お菓子勉強家。毎日10種類以上のお菓子を食べ続け、通算9万個を超える、日本一のお菓子好き 。『TVチャンピオン』(テレビ東京系)の「第2回コンビニ通選手権」「スナック&駄菓子通選手権」「お菓子通選手権」を優勝。『マツコの知らない世界』(TBS系)のポテトチップス回に出演。著書に『日本懐かしお菓子大全』(辰巳出版)がある。