■共感度ナンバーワンドラマ『西園寺さん』の細やかなこだわり

■ 松本若菜(40)主演 『西園寺さんは家事をしない』(TBS 系/火曜夜10時~) 最終回コア視聴率2.1%(9月17日放送)

『西園寺さん』はひうらさとる氏の同名コミック(講談社)が原作。松本演じる独身の西園寺さんが、SixTONES松村北斗(29)演じるシングルファザーの楠見くん、倉田瑛茉(4)演じる娘・ルカと“偽家族”として暮らすハートフルコメディである。

 物語は締めるところは締めつつも、全体的に明るくコメディタッチで進行し、最終回では3人で“家族の価値観”に縛られない生き方をしよう、と団結して空港で海外へ――完全無欠のハッピーエンドで幕を閉じている。ルカがカメラ目線で言う「see you soon,I hope!」(※近いうちに、また会いましょう!)セリフもあったため、続編に期待する声も多い。

「最終回の数字はなぜか低かったですが、物語中盤ではどんどん数字を上げていましたよ。何よりも内容の評価が高かった。家事や育児に悩む視聴者が強く共感できるドラマだと好評で、“共感度ナンバーワンの夏ドラマ”と言っても過言ではない作品だともっぱら。

 同じシングルファザーの物語として『海のはじまり』と比較されていましたが、『西園寺さん』の方が”全員が子どもの幸せを最優先に頑張っていた“感が強く、それも物語の明るさに影響したところがありそうです」

 『西園寺さん』の最終回には、

《最後までちゃんとコメディーだしこれが本物の大人の愛の描き方だよなって、ずっとるかちゃんファーストで子供の幸せが真ん中にあるの本当に素敵だった》
《『西園寺さんは家事をしない』最終回、なんか色々詰め込みすぎて途中大丈夫?!?!ってなったけどルカちゃんの笑顔がこれから先の幸せを約束してくれた》

 といった声が多く寄せられている。

 ちなみに、西園寺さんと楠見さんのラブコメ描写では最後までキスシーンや、色っぽい描写がなかった。これに対しても、

《キスしたりハグしたりラブなことが盛り沢山なくても恋愛ドラマってできるんだなあって思った》
《ラブコメなのにキスシーンがない火10気にならないし、嫌いじゃないし、楽しかったし、また観たい》

 といった声は多い。

小池栄子(43)、仲野太賀(31)ダブル主演 『新宿野戦病院』(フジ系/水曜夜10時~) 最終回コア視聴率1.5%(9月11日放送)

『新宿野戦病院』は、歌舞伎町にある「聖まごころ病院」を舞台に、小池演じるヨウコ・ニシ・フリーマンら医療従事者や、歌舞伎町の住人が織りなす笑って泣ける“救急医療エンターテインメント”。脚本は、今年1月クールに放送された阿部サダヲ(54)主演の『不適切にもほどがある!』(TBS系)など多くのヒット作を手掛けてきた、“クドカン”こと宮藤官九郎氏(54)が手掛けた。

「“クドカン”という強いブランド力から期待されていましたが、視聴率的には低空飛行に終わってしまった作品ですよね。

 ただ、物語の評判は良く、終盤では未知の新種ウイルス・ルミナの感染拡大によって2020年のコロナ禍と全く同じ流れで日常が失われていく様子、まさに“戦場”で戦う医療従事者の姿が描かれて大きな話題になりました。そして視聴率の低さは、“先行配信”も影響していそうです」

 フジテレビの配信サービス・FODの有料会員向けサービスの1つに、一部の作品が地上波よりも早く視聴できる先行独占配信がある。『新宿野戦病院』は、1週先の話がまるごと先行配信されていたのだ。なお、最終回だけは冒頭15分と一部シーンのみ先行公開で、完全版の配信は地上波での放送当日までお預けだった。

 おおむね好意的な声が多かった『新宿野戦病院』だが、同ドラマの最終回には、

《コロナに対するあの時の怒りや疑心暗鬼になりそうなアレやコレ全部をエンタメに昇華させて且つそれがちゃんと“キャラクターの主張”になってたのがすごい。ただTBS作品と比べて演出部との相性はイマイチだったように感じる》
《最終回やっと観た。私の中では最後に失速してしまったな〜コロナに対してのいろんなメッセージは理解しつつ、まだ懐かしいねってなるほどの時間も経ってないし…。でもキャストみんな好きだしクドカン好きだし面白かったのは間違いない》

 と、どこか物足りなさを感じている声、“クドカンはTBSでやってほしい”といった意見も寄せられていた。