■『日曜劇場』では竹内涼真の存在感がマシマシ

二宮和也(41)主演 『ブラックペアン シーズン2』(TBS 系/日曜夜9時~) 最終回コア視聴率3.1%(9月15日放送)

『ブラックペアン シーズン2』は、海堂尊氏の医療小説『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(講談社)が原作のメディカルエンターテインメント。2018年放送のシーズン1の続編であり、“主演は二宮のままだが、役はシーズン1と瓜二つの別人”という点が注目を集めていた。放送枠は、現在の地上波ドラマ界で最もブランド力があるとされる『日曜劇場』枠である。

「シーズン1の主人公・渡海征司郎と、シーズン2の主人公・天城雪彦。一人二役を成立させた二宮さんの演技力は凄まじかったですよね。手術着で目元しか見えない無言のシーンでも、ハッキリ別人だと分かる演じ分けはまさに神がかり的でした。

 シナリオ面では原作とは全く違うオリジナル展開でありながら脚本の完成度は高く、最後までドキドキ、ハラハラの展開が続きました。シーズン2の主人公である天城(二宮)の衝撃的な結末には、多くの視聴者が涙したことでしょう」

 二宮以外では、シーズン1から続投した竹内涼真(31)演じる外科医・世良雅志が、今回も準主役として活躍。エピローグではもはや主人公のような立ち位置になっていて、二宮に負けない抜群の存在感を放っていた。

《世良先生は完全に影の主人公だった。最後はぜひ劇場で見てみたいわ》
《最終話、劇伴が相当良かった。世良(竹内涼真)を主役にしたシーズン3を見てみたい》

 といった声が寄せられている。

 今回取り上げたフジテレビとTBSの24年夏ドラマについて、すべての作品を追っていたドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。

「地獄のような展開が続いていたのに、『海のはじまり』が最終回で好成績を残せたのは、目黒さんの地味ながらも溢れ出る感情を表現する演技、手堅い共演陣のサポートがあったからでしょう。有村さんが救われなさすぎるなど、ラストに納得できないという声が少なくなかったですが、それも注目度の高さの裏返しですから。

 また、今期最高のラストシーンは、『西園寺さんは家事をしない』の“名前のいらない関係”となった3人の旅立ちだと思いますね」

 月9に火曜ドラマ、そして日曜劇場が今後も地上波ドラマ界の中心になっていくのだろう。大手配信サービスの超豪華作品などライバルは多いが、今後もフジテレビとTBSには面白い作品を作り続けてほしい。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。