■女優兼プロレスラーの道へ

――(笑)。そんな花屋さんは今、2004年にミスマガジングランプリに選ばれた元グラドルの小阪由佳さんが経営する芸能事務所に所属していると聞きました。

 そうなんです! 知り合いからの紹介で小阪さんにお会いし、芸能活動について相談に乗ってもらううちに、“この人についていったら成功できる!”と確信し、所属させていただきました。事務所の社長である小阪さんが現役で芸能活動をしていることで、演技のアドバイスをもらえることがありがたいですね。

 今回、プロレスラー役が決まった時には、役作りのために体重を増やさなければいけないことを小阪さんに相談したら、「ユウちゃん、今からウチにご飯食べにおいで!」ってご自宅に呼んでくれたんです。お部屋にお邪魔したら、テーブルの上に2合ぶんのお米と、小阪さんお手製のたくさんのご馳走が並んでいました。

 当時、お金がなくご飯が食べられずどんどん痩せてしまっていたので、役作りのために食生活までサポートしてくれる社長の優しさが嬉しくて……。たくさんご馳走になり、結果的に体重を10キロ近く増やし、見事プロレスラー体型になれました。

 そして……昨年、女子プロ団体『アイスリボン』に所属して、後楽園ホールでプロレスラーデビューもしちゃいました。

――なんと! 女優さんなのに、プロレスラーとしても活動しているんですか?

 はい、実はとある映画のオーディションがありまして。偶然にも、それもプロレスラーの役だったんです。社長からこのオーディションの話をいただいた時は、攻撃を受けたら痛そうだし、体重を増やさなければいけないし、とあまり気が進まなかったのですが、大相撲を題材とした『サンクチュアリ ―聖域―』(Netflix)というドラマで、本気で相撲の稽古をしている俳優さんたちの姿を観て、感銘を受けたんです。

 当時29歳で年齢的な焦りを感じていた私は、“本物の女優になりたい”と思い、女優兼プロレスラーへの道に進むことを決意しました。

プロレスラーとして戦う花屋さんの姿  ※写真は本人提供

 ――おお、そうなんですね。でも、女優とプロレスラーの両立は大変なのではないでしょうか。

 そうですね。プロレスラーデビューに向け、毎日のように埼玉の川口にある道場までバイクで通いました。家から道場までの道のりでウーバーイーツ配達員のバイトをして、交通費を浮かせつつ小銭を稼いで帰ったりもしていましたね。

――すごい!

 はい。道場では筋持久力をつけるための練習が組まれていたので、10分間絶対に止まってはいけないメニューを3セット連続でやったりと、体力的にとてもキツかったです。リングでの実践では、“女優だから顔だけは傷つけたらいけない”と、全力で顔周りを死守するため、痛みに耐えながらも、相手の攻撃をすべて身体でくらうようにしていました。

凛とした美しさの花屋さん  ※写真は本人提供

花屋ユウ(はなや・ゆう)1994年4月28日生まれ。長崎県出身。身長158cm。血液型A型。2022年、タレント・小阪由佳の経営する芸能事務所『Cheer Lead』に所属し、すぐにドラマの出演が決定。その後も『VIVANT』(TBS系)『極悪女王』(Netflix)など、連続して人気作品にレギュラー出演を果たす。12月6日には、映画「リング・オブ・ザ・リビングデッド」完成披露試写会に出演を予定している。

 

取材・文/白川ちひろ
キャバ嬢時代に書いていたブログがランキング上位となり、某出版社からのスカウトでライターデビュー。これまで多数のタレントのインタビュー記事を手がけ、そのほとんどがYahooトップ・ランキング入りを果たす。グラビアアイドル好きを自称し、推しのチェキ会やイベントには必ず参戦する。イチオシのグラドルは橋本梨菜、青山ひかる、奥村梨穂、豊田えま。