■「僕たちは犯罪者に育てられた子どもたちなんだよね」

 事務所がジャニー氏の加害を認めてから1年になるが、10月に入ってからもジャニー氏を巡るニュースに、世間は大いにざわついている。

 10月15日、SMILE-UP.がHP上で報告した【現時点までの被害補償の状況】で明らかになったのは、被害者救済委員会への補償申告者――ジャニー氏の“被害者”が1000人に達していたことだった。

 STARTO社は近いタイミングで、昨年は停止していた所属グループの年度カレンダー発売再開を発表していたが、被害者申告者「1000人」という数字のインパクトは大きく、あらためて旧ジャニーズには厳しい目が向けられ、 “カレンダー復活”にも多くの厳しい意見が寄せられている。

 また、少年隊錦織一清(59/20年末退所)は『週刊文春』(文藝春秋)(『文春オンライン』で10月17日配信)の連載、阿川佐和子(70)がホストを務める「阿川佐和子のこの人に会いたい」での対談中に、

《これは事実だからしょうがないんだけど、僕たちは犯罪者に育てられた子どもたちなんだよね。自分が川で溺れているときに助けてくれた人が、実は殺人犯だったらどうするかって話》

 と、当事者として非常に重いコメントを出している。

 そんなタイミングで、STARTO社タレントの『紅白』“復活出場”の可能性が浮上。そしてさらに同タイミングでの『NHKスペシャル』のジャニー氏特集……所属グループを応援するファン、そして芸能関係者、テレビ関係者に与える影響は大きいだろう。

「被害申告をした1000人中、SMILE-UP.が正式に補償内容を通知したのは530名と発表されていますが、つまりジャニー氏は最低でもそれだけの人間に加害行為を行なってきたわけですよね。そして、さまざまなリスクを考えたり、“もうかかわりたくない”と被害申告しなかった人もまだ多くいるでしょう。

『NHKスペシャル』の予告では“モンスター”と評されていましたが、“ジャニー氏は加害をするために事務所を立ち上げ、運営していたのでは?”という声もあり、そう言われても否定はできない、おぞましいまでの所業ですよね。錦織さんは“犯罪者”と言い切りましたが、まさにそうでしょう。

 現在、『紅白』サイドは、STARTO社の大人気グループ・Snow Manに出演オファーをかけていると言われていますが、これに影響が出るくることも考えられていますね」(前出のワイドショー関係者)

 Snow Manは、昨年大晦日に行なったグループのYouTube生配信が好評だったことから、今年も『紅白』に出場しないのでは、とも言われている。

「NHKのオファーに対して、“『紅白』は特別な番組。ファン以外にも自分たちのエンタメを届けるために出よう”とする出場派と、“ファンのことを考えると何曲も見せられる配信の方が良いのでは”とする不出場派で意見が割れて、話し合いになっていると聞こえてきていますね。ケンカになっているわけではなく、今後、グループで議論を煮詰めていって“9人の結論”を出すのでしょうが。

 ただ、もしSnow Man、STARTO社サイドが『紅白』の出場オファーを断ったら、本当の理由は別にして、“ジャニー氏のドキュメンタリーが放送されたから”というふうにも思われてしまいそうですね。NHKが暗にSnow Manに『紅白』出場を断われなくさせている――そんな意見もSNSには寄せられていますね。

 NHKが、このタイミングで『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』を放送することになった理由は気になるところではありますが、ジャニー氏とかかわってきた人の証言のみで作られているという深く攻めたドキュメンタリーからは、目を背けてはいけないでしょうね」(前出のレコード会社関係者)

 日本のエンターテインメント界の中心に居続けた「モンスター」の“真実”は、20日夜9時から放送の『NHKスペシャル』で、どこまで明らかになるのだろうか――。