■行方が分からない“真紀ちゃん”……

『おむすび』に「面白くなってきた」という声が上がる理由――3つ目は、

「1995年編の登場人物――孝雄(緒形)の娘、歩(仲)の同級生で主人公の結(橋本)とも仲良しだった14歳の少女・真紀(大島美優)を巡る、意味深な描写の数々が、視聴者の間で注目を集めています」(前出のテレビ誌編集者)

 真紀の名前が初めて登場したのは、10月21日放送回の姉妹喧嘩の場面。“辛くて苦しくて悲しかった”出来事として、結が涙きながら「神戸のこと」や「真紀ちゃんのこと」と口にし、名前が出た瞬間に歩の表情が明らかに強張ったのだ。

 そして、2006年の現代パートに真紀は登場していない。そんな彼女に対して、

《真紀ちゃんのこともお姉ちゃんのことも大好きだった子供の頃の結の様子を見ただけで胸がギュッと締めつけられます この時から現在までの物語を妄想してしまい、とても切なくて悲しくてたまりません》
《阪神大震災直前のようだけど、商店街アーケードの件とか大丈夫かな。震災に巻き込まれて真紀ちゃんが、みたいな流れもあるのだろうな。先週まではまったり見てたけど、今週の展開は目が離せない……》
《震災で大きな心の傷を負ったであろうことはドラマ序盤からわかっていたが、結も、歩も……橋本環奈の大きな瞳から大粒の涙がこぼれる。苦しい》

 と、“震災で真紀に悲劇があったのではないか”と注目している視聴者は多い。

「ギャル編の不評でスタートダッシュにつまずいた感もある『おむすび』ですが、主人公や家族の“被災から10年近くたっても心の傷が癒えていない”という姿を先にじわっと描いたことで、物語に入り込みやすくなっているという声もあります。

 これまでのギャル編はプロローグのようなもので、今後、物語は加速度的に動き出していくのではないでしょうか」(前同)

 次週、10月28日から本格的に阪神・淡路大震災が描かれるとされる『おむすび』。注目度は俄然、増してきている――。