■深夜2時、外国人たちが集っていたのは…

 ご機嫌に酔っぱらいながら、道行く人に「ハッピーハロウィン!」と声をかける外国人たち。そんな彼らが深夜、向かっていたのは「クラブ」である。

 たとえば渋谷PARCO前にあるダンス・ナイトクラブ「BAIA」の前には、深夜2時にもかかわらず大行列ができていた。

 クラブの中に入られない人たちがつくる長い行列、その横を高級な外車が続々とすり抜け、狭い通りに滑り込む。どの車からも、降りてくるのは外国人ばかりだ。その数は、渋谷のクラブによく来るという20代の女性が「こんな行列見たことない」と言うほど。近くの通りには成田ナンバーやレンタカーの車もあり、遠方からかけつけた人も少なくないことを伺わせる。

 渋谷にあるインポートブランドのショップ店員が、「何がいいのか…」と疲れ切った表情で、“外国人の渋谷ハロウィン好き”を指摘する。

「セレブな暮らしをしている外国人のオーナーが、“渋谷のハロウィンを見てみたい”ということで、わざわざプライベートジェットでハロウィンめがけて来日したんです。私たちはそのおもてなしをしないといけないので、店長命令によりその日はスタッフ全員仮装をする羽目に……。

“夜はクラブに行くんだ”と張り切っていました。何がいいのかさっぱりわかりませんが、海外でも渋谷のハロウィンの盛況ぶりはよく伝わっているようで、一度来てみたかったんだそうです」

 明け方に近づくにつれ、路上で眠り込む人びとの姿もチラホラ。声がけをしていた防犯パトロールの男性は、「スリに合うから、なるべく起こすようにはしているんだけどね。今は海外の人も多いから」と、"これまでの日本の常識”が通用しないことを訴えていた。