■室料はコロナ前の約1.5倍に高騰
ホテル不足が続く日本列島。背景にはホテル業界の価格制度があるという。
多くのホテルは、空室が多いときは宿泊料金を安く、空室が少ないときや部屋が埋まるだろうという日は宿泊料金を上げるという、ダイナミック・プライシングという料金システムを導入している。結果としてこの価格システムが宿泊費の高騰に繋がっているというのだ。
「コロナ前はビジネスホテル一部屋の値段が7000~8000円程度。現在は1万5000円といった具合です。コロナ禍を経て旅行者の数が回復し始めた頃と比べても、約1・5倍の価格になっている印象です。ホテル代が会社既定の出張経費に収まらなくなってしまったというサラリーマンも多いと聞きます」
こうなった背景にはどの様な事情があるのだろうか。鳥海氏の分析によると、
「原因の一つは、東京オリンピックが、コロナの影響で延期かつ無観客になってしまったことにあります。本来営業を予定していたホテルが開業を見合わせたり、閉業したりしてしまった。そこに外国人観光客の増加が加わったといったことが大きな理由ですね」
他人事では済まされない『ホテル難民』。被害に遭わないためにどうすればいいのか。
鳥海氏にオススメのテクニックを教えてもらった。
「あらかじめ郊外のホテルを取っておいて、その後、中心地の空室を探します。特に全国に7万室以上を展開する東横インは、25年3月末までは当日16時まで、それ以降は当日の昼までキャンセル料が発生しないのと、料金の変動が少なく、宿泊費はほとんど1万円を超えないのでお勧めです。各ホテルのキャンセルのルールと照らし合わせながらギリギリまで希望に沿ったホテルを探すといった方法が有効ですね」