■どうしても予約できないときの最終手段

 さらには運悪く、現地で大型イベント等が開催され、どうしてもホテルが取れない、といった不測の事態に対応する方法も教えてもらった。

「まずはカプセルホテルや近年登場し始めた、ひと回り大きなキャビン型のホテルを探します。一人分の就寝スペースは最低限確保できますからね。それでも見つからない場合は、深夜営業をしているスーパー銭湯などの温浴施設や、一応シャワーもあるので漫画喫茶等も選択肢に入ってくるのではないでしょうか」

 それでは、『ホテル難民』は、いったい、いつ解消されるのだろうか?

 鳥海氏によると今後もインバウンド需要は増加傾向が続き、ホテルはより予約しづらくなるという。

「実は、中国人観光客数はコロナ前の約8割程度しか戻ってきていません。つまり今がピークではない、ということになります。さらに来年は、大阪万博が4月から10月まで開催され、多くの観光客が押し寄せる見込みです。劇的に改善する要素はありませんね」

 “観光立国日本”と言えば聞こえがいいが、自分たちの宿泊もままならないのはなんとかしてほしい。

 出張、旅行の予定がある方は、この記事を参考に、計画を一度見直してみてはいかがだろうか。

鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)
航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師、有限会社三津和石油(千葉県君津市)非常勤取締役。情報ライブ ミヤネ屋(読売テレビ)など地上波を始め、様々なメディアに出演している。