■ギャルと『おむすび』テーマの相性の悪さ

 それ以上に気になるのが、“ギャル魂”をうたっている結(橋本)なのに、ギャルらしくない言動が出てきて、そのキャラにブレを感じることだ。そもそも、ギャルはヒロイン。結のアイデンティティで、行動原理のはず。それは、しばしば出る「ギャルの掟」で定義されている。

 ギャルの掟は「掟その1・仲間が呼んだらすぐ駆けつける」「掟その2・他人の目は気にしない 自分が好きなことは貫け」「掟その3・ダサいことは死んでもするな」。要するに仲間を大切にし、周囲に流されず自己実現への強い意志を持つこと。そんな“ギャル魂”を胸に、「人の心と未来を結んでいく」結のストーリーを期待したいのだ。

 これが、結がハギャレン(博多ギャル連合)から離れ、神戸に来てから、徹底されていない。就活も適当にやっていたし、就職してからも自分を認めさせるために努力をするのかと思えば、いきなり敵視されている相手にメニュー改善を求めたりと、管理栄養士になるという強い意志が感じられない。ギャルとしてのブレを感じるのだ。

 さらに、最近も食事に気を遣わなければいけない野球選手の翔也とやたら町中華に行っていて、ここで「餃子は栄養バランスが良くて」とか、翔也のために張り切れば、ギャルとしての筋も通るはず。しかし、2人はラーメン、チャーハンと、炭水化物、脂質、塩分が多めで、栄養バランス無視なメニューも頬張っていた。こんなにブレているのは、ギャル魂ではないだろう。