昭和生まれにとって、高級アイスクリームの代名詞的存在だったレディーボーデン。ところが最近、「味が変わったのでは?」とネット上で話題になっている。一体、何が起こったのか?
「もともと、レディーボーデンは1971年にアメリカ・ボーデン社と明治乳業(現・明治)が共同開発した商品でした。なめらか、かつ濃厚な味わいで一世を風靡しましたが、1990年に両社は契約解消。これによって、一時、日本市場から姿を消します。
ボーデン社は、日本法人のボーデン・ジャパンを設立しましたが、売上は苦戦続きで、結局、94年からはロッテとタッグを組むことになったんです」(ビジネス誌ライター)
ボーデン社はその後、2020年に倒産。現在は、ロッテが製造と販売を担っている。親会社が変わり、販路や使用する素材も変化したことで、今回の味の変化につながったのかもしれない。
そんなレディーボーデン同様、海外発ブランドの中には、本国で廃業したにもかかわらず、日本で健闘を続けるケースもある。
チェーンストア研究家で、現代の都市空間・商業空間に関する著作も多い谷頭和希氏は、次のように解説する。
「日本は真面目な国民性もあってか、チェーンストアのオペレーションを忠実に再現する傾向が、アメリカよりも強いんです。“お客様は神様”という小売の考え方が叩き込まれているため、その精神がフランチャイズ展開にハマっているんでしょう。
それともうひとつ、日本の市場に合わせたローカライズを徹底させるというのも特徴です。デニーズで、ラーメンやさば味噌煮定食を食べられるのって、実は当たり前のことではないですからね」