■相次ぐ芸能プロダクションの倒産&休廃業の背景

 現在、芸能プロダクションの倒産・休廃業が相次いでおり、過去5年間で倒産が最多だと2024年5月6日に帝国データバンクが明らかにした。

 24年3月、タレントの壇蜜(44)や吉木りさ(37)らが所属した「フィット」が破産したほか、同4月には酒井若菜(44)や吉岡里帆(31)が所属した「エー・チーム」が休業を発表した。

 さらに11月27日には、藤原紀香(53)や篠田麻里子(38)らが所属した「サムデイ」が債務超過に陥ったとして東京地裁に破産手続き開始の申し立てを行なったことも明らかになった。

「芸能プロダクションの倒産や休廃業が続出しているのは、“テレビ不況”がこれまで以上に深刻になっていることが大きい、と言われています。

 かつて芸能プロダクションは、テレビに出演するタレントのマネジメントがメイン業務でした。バラエティ番組や情報番組、ドラマのギャラで稼ぎ、知名度や好感度が上がったタレントがCMに起用され、さらに大きな額のお金が入ってくる――そんなスタイルで数十年にわたって続いてきたわけです。

 ただ、現在は視聴者のテレビ離れが進み、テレビ不況は深刻に。番組の制作費は5年前の6割ほどに減らされてしまっているといいます。当然ながらタレントのギャラにもしわ寄せがきて、芸能プロダクションは、かつてのような売り上げが立てられなくなってきているんです。

 結果、マネジメント以外の強みがない会社は倒産や休廃業に追い込まれていると。一方で多角的にビジネスを展開している会社は生き残っています。吉本興業もその1つですよね」(前出の芸能プロ関係者)

 吉本は劇場を複数運営しており、25年以降も増やしていく見込みだと言われている。さらにNSC(吉本総合芸能学院)をはじめとする育成ビジネス、番組制作、チケット販売及び動画配信を手掛ける「FANY」など、手広く事業を展開している。

「吉本はまさに多角経営なわけですが、タレントのマネジメント以外もやっていかないと、プロダクションは立ち行かなくなっているんです。今回、波瑠さんと向井さんも長く世話になった事務所を離れるわけですが、同時に、長年一緒に仕事をしてきたマネージャーと独立するという波瑠さんのスタイルは、今の芸能界のトレンドでもあるんです」(前同)