“魚の日”であった3月7日に農林水産省が公式ツイッターを更新。元ネタを知らない人は困惑し、知っている人は抱腹絶倒する画像とメッセージが投稿され、話題を呼んだのだ。

 この日に農林水産省が投稿した写真に映っているのは、シャケと骨を組み合わせた気味の悪い怪人の写真。名前を“サモーン・シャケキスタンチン”という。

《サモーン・シャケキスタンチンだァ! クリスマスでもないのになんだがァ

 3月7日!今日は #魚の日 だ!シャケを食え!分かったか!!》

 と、「シャケを食え!」と強要してくるこの怪物は、2018~19年に放送していたスーパー戦隊シリーズ第42作目『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系、略称『ルパパト』)の第45話「クリスマスを楽しみに」に登場した敵組織“ギャングラー”の怪人だ。

 ちなみに、担当声優は初代“ニャンちゅう”で有名な津久井教生(61)だった。

『ルパパト』はタイトル通り警察と怪盗の対立を描いた全体的にシリアスなテイストの作品。シナリオへの評価が非常に高く、三谷幸喜氏(61)が当時『朝日新聞』のコラムで最終回を「拍手喝采」と絶賛したり、「『特撮モノ』の枠を超えた見応えのある人間ドラマを描いていた」として、放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する「ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)テレビ部門を受賞したりしている。

 しかし、このサモーンが登場したクリスマス回は、シリアスな本筋がありながらも、サモーンが「クリスマスにチキンを食べるなんて許せない! 日本人ならシャケを食え!」「クリスマスにはシャケを食え」というパワーワードを連発。“店のチキンを全部シャケにする”“戦闘シーンがシャケ料理の調理との合成”など、強烈な迷場面を量産し、当時、大変な話題となった回だったのだ。

 ちなみに、翌46話の敵はいわゆる“戦闘員”を改造したもので、以降は幹部・ラスボスたちとの激闘が描かれる最終章に突入したため、サモーンが『ルパパト』最後の“今週の怪人”だったことも、ネタ化に拍車をかけていた。