■“物言う株主”が日枝体制を批判

 24年5月、ダルトンがフジHDに対し、MBO(経営陣が参加する買収)を要求する書簡を送ったことが明らかになったが、フジHDサイドはこの要求を真っ向から否定。これを受け、ダルトンは公式サイトに《貴社の取締役会のメンバーの平均年齢は、日本のどの会社よりも高い部類に入る。(中略)1人の取締役は何と41年も在任しています!》という文書をアップ。

《このような凝り固まったグループが、貴社のビジネスに必要なオープンマインド、エネルギー、ダイナミズムを提供できるとは到底思えません。実際、取締役会の構成は、相互の自己強化と萎縮を物語っています。これはフジHDの不始末のもう1つの側面であり、もはやこのままでは許されないと私どもは考えています》と厳しく指摘した。

「名指しこそしていないものの、長年にわたりフジHDのトップに君臨してきた日枝氏を批判し、取締役会の体制についても厳しく見ていると声明を出していたんです。今回のフジテレビの対応も大株主として“見ていられない”というところで、2通もの書簡を出したのではないでしょうか」(前出の民放キー局関係者)

 ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(52)は1月18日にXを更新し、《フジ・メディアHDの株買いました。#日枝久出てこい》《みんなで買って現役員をクビにすりゃいいんですよ》とポスト。自身のYouTubeチャンネルを更新し、フジテレビの体制について「日枝久の院政なんですよ、フジテレビは。これが諸悪の根源なんです!」と訴えた。

 1月21日、フジテレビは社員向け説明会を23日17時30分から行なうと全社員に通知した。嘉納修治会長と港社長が出席し、これまでの経緯や今後の方針について説明するといい、局内のスタジオとリモートを併用して開催され、社員からの質疑応答も受けるという。また、同局を傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスも同日に臨時取締役会を開くことを明らかになっている。

「フジテレビ労働組合が説明会に日枝氏の出席を求めている、とも報じられています。長らくフジHDのドンとして大きな影響力を放ってきた日枝氏ですが、中居さんの女性トラブルに端を発した今回の問題により、その座は絶対的なものではなくなってしまうのかもしれませんね」(前同)

 ついにフジサンケイグループのトップにまで延焼した今回の騒動。今後、日枝氏自らが動くタイミングはあるのか――。