言葉は時代の写し鏡。普段なにげなく使っているフレーズが、Z世代から「なんですか、それ?」とキョトンとされた経験を持つ方も多いのでは?「父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁ」とも言いたくなるが、新人類たちには、我々の言葉は「バケラッタ」にしか聞こえないようだ。

 では、はたして今どきのナウなヤングに“昭和・平成の流行語”がどれだけ通じるのか? 某ハイソな大学に通うA君(23)とBさん(20/ともに仮名)に聞き込み調査を実施してみた。“おじさん構文”“おばさん構文”が「キモい」「イタい」と槍玉に上がる今だからこそ、襟を正したいものである。

 いざ、レッツラゴー!

■令和世代も使っている昭和の流行語は……

●KY
「空気読めない」の略。2007年頃に流行。
A君:〇/Bさん:〇(〇:理解できる、△:ぼんやり分かる、×:理解不能=以下同)
「なんで略す必要あるんですかね? 普通に“空気、読めよ”って言えばいいじゃないですか」(A君)

●ザギン
「銀座」の逆さ言葉(倒語)。テレビ、マスコミ業界人が用いていたが、バブル期に一般にも広まった。
A君:〇/Bさん:〇
「一昔前の業界人用語? 実際に使うことはもちろんないけど、おじさん言葉として揶揄する文脈で聞いたことはあります」(A君)

●シャバ僧
軟弱そう、真面目そうな男性のこと。1970年代に不良グループの間で生まれたといわれ、『ビー・バップ・ハイスクール』などのヤンキー漫画でメジャー化した。
A君:△/Bさん:×
「びーばっぷ? 読んだことないですね。あっ、でもフリースタイルのラップでディスるときに使われているのは聴いたことはあります。意味はよく分かってないけど」(A君)

●チョメチョメ
伏せ字「××」を言葉にしたもの。フジテレビのクイズ番組『アイ・アイゲーム』(1979~85年)で、司会の山城新伍が問題文内のエッチな伏せ字部分をチョメチョメと読んだのがきっかけで流行語に。
A君:△/B子さん:〇
「周りで使っている子はいないけど、『ふてほど』で意味を知りました」(Bさん)

●バリサン
携帯電話の画面で、受信状態が良いとアンテナマークの棒が3本立つことから、電波良好、転じて、とても調子がいいことを意味する。1990年代後半から2000年代に流行。
A君:×/Bさん:×)
「バリバリのサングラスって意味ですか?」(A君)
「はぁ……。3本=電波強いという前提自体がもう崩れていますし」(Bさん)

●写メ
写真+メールの略。 携帯電話でメールに画像を添付できる機能もしくはその行為のこと。2000年代に流行。
A君:〇/Bさん:〇
「意味は通じますが、使い方が分からない。普通に“写真を撮る” “写真を送る”でよくないですか?」(Bさん)

●パープリン
「頭がパーでプリンのよう」という意味。『少年ジャンプ』で1976年から79年に連載されたギャグ漫画『東大一直線』から生まれた。
A君:×/Bさん:△
「聞いたことないし、意味も想像つかない」(A君)
「なんとなく小バカにするニュアンスは伝わってくるけど……」(Bさん)

●はなきん
「華の金曜日」の略。民間企業に週休2日制が一般化した1980年代中期に生まれた造語。
A君:〇/B子さん:〇
「これ死語なんですか? 今でも普通に使いますよ」(A君)
「インスタとかでは仕事のない学生も使っているかな。でも表記は“華金”が基本。“はなきん”“花金”はNG」(Bさん)
 一時は完全に死語化したものの、令和の世に復活したパターンか。

●イタメシ
イタリア料理のこと。平成初期のイタリアンブーム時に生まれた言葉。
A君:〇/Bさん:×
「チャーハンのことですか?」(Bさん)
「意味は知っていたけど、なんでいちいち略したがるのか謎すぎる」(A君)

●ラッタッタ
ホンダ「ロードバル」のCMで女優のソフィア・ローレンが口走ったフレーズが語源。そこからファミリーバイクを表す言葉として浸透した。
A君:×/B子さん:×
「見当もつかないな……。(意味を知って)ああ、ケッタみたいなものか」(Bさん)