■フジテレビからの回答は…
『ちいかわ』の原作には、くりまんじゅうが二日酔いで体調が悪くなってしまい――という回がある。同エピソードは昨年1月16日にアニメ化されたが、これが“飲酒描写解禁か”と、当時話題になった。
「二日酔い回では、原作にあった迎え酒をするシーンはカットされていましたが、飲酒シーンは放送されたんです。ただ、原作の”飲み散らかした缶ビール”が、アニメでは”中身が見えない熱燗1本と『B』とだけ書かれた缶ドリンク2本”にされていて、表現がマイルドになっていた。それが、2月4日の放送回ではより直接的な”缶ビール”が登場したと。
また、当時は飲酒描写の解禁を受けて、“(これまでは)酒というより真っ昼間から飲んでる”という絵面が悪かったのかも、と指摘する意見もありましたが、今回の放送回は昼間のシーンで堂々と缶ビールを飲んでいることから、やはり飲酒描写が緩和されている印象を受けます」(前出の女性誌ライター)
今回のエピソードは、“ちいかわとハチワレがジンジャーエールをビールに見立てた飲み会をしていたら本物の酒飲み(くりまんじゅう)がやってきた”という流れのため、飲酒描写の差し替えが難しかったのかもしれない。しかし、現在のフジテレビはスポンサーが撤退している状況にあるため、
《アニメちいかわ、今までお茶とかよく分からん飲み物で誤魔化してきたくりまんじゅうが思いっきりビール飲んでて草だった スポンサーいないからやりたい放題やな》
《あ、今日のアニメのパイセン ビール飲んでたの フジテレビの スポンサー問題のあれがあれで……ってコト!?》
といった、騒動の影響を疑う声も多く寄せられたのだ。
一方で、『ちいかわ』のプロデューサーである障子直登氏は、昨年8月27日に公開されたフジテレビのインタビュー企画『FUJITV Inside Story』で、飲酒描写に触れてこう話している。
《お酒を飲むキャラクターとかもいるので、どこまで表現をするのか、なるべく原作に忠実に描きたいと思っているので、そこは相談しながらやっています》
原作を忠実にアニメ化した結果か、それともCMスポンサー離れが原因か――小サイトは『ちいかわ』の制作会社とフジテレビに、飲酒描写の変化とスポンサー撤退との関係について問い合わせた。
制作会社の回答は、「アニメ『ちいかわ』はフジテレビさまがご担当になります。フジテレビさまのお問合せページから再度本件ご連絡頂けますと幸いです」というものだった。
そしてフジテレビからは、
「制作の詳細に関してはお答えを控えさせていただきますが、スポンサーへの配慮と放送内容は、関係ございません」
ということで、スポンサーと『ちいかわ』の飲酒描写は関係がないということだった。
「2月4日放送回は構成的にも飲酒描写が不可欠だし、プロデューサーはインタビューからも伝わるように、『ちいかわ』をなるべく原作に忠実にアニメ化したい思いが強い。そのため、原作通りビールを出した、というのがリアルなところでしょう。
ところが、ちょうどフジのスポンサー撤退騒動のタイミングと重なったために、多くの視聴者がいろいろと想像することになった、ということではないでしょうか」(制作会社関係者)
昨夏に開催された『お台場冒険王2024』では、目玉企画として『ちいかわアドベンチャー』が開催されるなどフジテレビにとって大きなビジネスコンテンツにもなっている『ちいかわ』。思わぬ形で注目されたが、同局の制作が原作をリスペクトしていることは間違いないようだ。