■ “カラビナの男”に主人公の正体――謎が大渋滞
“カラビナの男”とは、第1話の序盤で、主人公・心麦(広瀬)の自宅アパートを遠くから眺める後ろ姿が映し出されていた、青いカラビナ(金属リング)つきリュックを持つ謎の男性。演者は未発表だが、声質や体格から、声優の大塚明夫(65)、古田新太(59)、大和田伸也(77)などが演じていると予想する声も多い。
2月7日の第3話では、主人公の父・春生(リリー・フランキー)の元部下で心麦にも親身に接している刑事・赤沢正(藤本隆宏/54)が春生の手紙のコピーを女検事・阿南(瀧内)に見せていたのだが、赤沢が帰った後、阿南が“カラビナの男”に「お疲れ様です。阿南です。東賀山の件で。山下春生の例の手紙、出てきました。娘が捜査員に渡したようです」と、電話で伝える様子が描かれた。
そして、同話終盤で“カラビナの男”は「ああ……片付いたよ。ラーメン屋の件は問題ない」と雨の中電話で誰かに告げる、意味深な描写もあった。
実際にラーメン店店主・染田進(酒井敏也/65)は“友哉(成田)の依頼で春生の偽手紙を書いた”という疑いで警察に取り調べを受けていて、染田は手紙を偽装したと自白している。もっとも、この自白は回想シーン、警察の脅すような取り調べなどから、信ぴょう性に疑わしい部分もあるが……。
検察の、それも上層部の人間である阿南と繋がりのある“カラビナの男”の素性を巡って、
《阿南検事からの電話を受けていたカラビナを付けたリュックの男は東賀山事件の冤罪を暴いてほしくない当時担当していた検事じゃないかな。阿南検事の机の上の写真を映す時右側の男の顔にモザイクがかかっていたのが気になる》
《阿南検事(カラビナ男も検事?)が恐れているのは,東賀山事件が掘り返され,力郎の冤罪の可能性が出てきてしまうこと? 例の手紙にある6人の氏名が,東賀山の関係者なら,調べ直しが行われるかもしれない? 検察は手紙を先に入手し,隠滅したかったのかも?》
《何らかの理由で検察を辞めてから私立探偵になり阿南検事と繋がり東賀山事件と絡んで動いているのではないか》
といった考察が多く寄せられている。
「そして、そういった複雑な事件に巻き込まれている主人公・心麦自身にも、出自の“謎”があり、物語の重要な要素として注視されています。本人は知らないことでしたが、心麦は春生の実の娘ではなかったんですよね」(前出のテレビ誌編集者)
心麦は週刊誌記者・神井(磯村)に“心麦とその叔母に、叔母姪の血縁関係がない”というDNA鑑定書を突きつけられている。この鑑定結果は、同時に春生と心麦は実の親子でない、ということも意味する。
このDNA鑑定の結果を受けて神井は、東賀山事件で生き延びた当時0歳の“林川歌”が心麦として育てられたのでは、と推測している。
しかし、歌と心麦の誕生日にズレがあることから、
《件が起きた2002年7月に生き残った次女が生後半年なら、2024年のクリスマスイブは22歳?心麦ちゃんとは1歳違う》
《02年7月で生き残りの次女が生後半年、1話で心麦が「21(12月24日時点で)」って言ってるから、生き残りの子は心麦ではないよね。計算合わない》
など、林川歌=心麦ではないのでは、という声も多い。
「ドラマ『クジャクのダンス』にはそうした多くの謎が散りばめられていて、全登場人物が怪しく見えてくるなか、7日の第3話終了時点で視聴者が最も注目しているであろう人物が、西田尚美さん(54)演じる赤沢京子なんです。
彼女は赤沢刑事(藤本)の妻で心麦にも優しい人物として描かれていますが、二面性を感じさせる意味深な描写から“何かウラがありそうだ”と、疑惑の眼差しを向けられているんです」(前同)