■清野菜名『119』は設定が秀逸
続いて、清野菜名(30)の『119 エマージェンシーコール』は、消防局の通信指令センターを舞台に、緊急通報の1本の電話で命をつなぐ最前線に立つ、指令管制員(ディスパッチャー)たちを描く完全オリジナルストーリー。清野は、1度聞いた声は忘れない新人指令管制員・粕原雪を演じる。視聴率は第6話(2月24日放送)までの全話平均が7.3%。
基本的に救急医療と消防ものだが、指令管制員という職種の選択がよかった。管制室での電話の受け答えが主なシーンで飽きそうなものだが、かけてくる人たちが急病や火事の通報だけでなく、犯罪絡みのものから緊急性のないジャンクコール、ワケアリなものまでバラエティ豊かで、つい見入ってしまう。
お仕事ものでありがちな、物語のスパイス的な恋愛要素を排除して、ストーリーを締まったものにしているのも、成功の理由だろう。それによって管制員たちのチーム感も増し、ストーリーを豊かにもしている。さらに、同僚や上司との険悪な雰囲気もなく、安心して見られる内容も支持されたのだろう。