冬ドラマも各作品が後半戦に入っている。固定ファンが多いNHK大河ドラマ『べらぼう』、日曜劇場『御上先生』(TBS系)、『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)を除けば、世帯視聴率では『119 エマージェンシーコール』(フジテレビ系)、『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)、『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)が3強となっている。この3作品が支持を集めた秘訣はなんだったのだろう?

 まず、広瀬すず(26)主演の『クジャクのダンス、誰が見た?』は、浅見理都氏が女性漫画誌『Kiss』(講談社)で連載中の同名作品が原作。時代を超えた2つの事件に巻き込まれた、親子の“愛と運命”が交錯するヒューマンクライムサスペンス。視聴率(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)は、第6話(2月28日放送)までの全話平均が6.5%だ。

 事件のヒントとなる伏線を張りまくり、考察を煽って視聴者を引き付ける内容が成功の秘訣だ。毎回、いかにも怪しい描写をいくつも入れて、視聴者の考察を誘っているのだが、それが、わかりやすいものから、ひと目では気づかないものまでバリエーションがある手の込んだ作りで、Xの番組ハッシュタグをチェックしながら見たくなってしまう。

 ただ、謎をいくつも重ねているうえに、過去の2つの事件につながる人物が多く、考察に疲れてしまう人がいるのも確か。Xでは、《ストーリーに謎解き多すぎで全体像がよう見えん》《なんかよく分からなくなってきたのは私だけ? もう離脱しよっかな》などの声が出始めており、考察を煽りすぎて離脱者が出ないか心配だ。