■卵は1日にいくつまで食べても大丈夫?
一方、白身には、嬉しい免疫力アップ作用があるという。
「卵白に0.3%含まれている『リゾチーム』は、細菌の細胞壁を分解・溶解する酵素で、風邪からの回復力を増し、免疫力を高める構造を持っています」(前出の料理研究家の青木氏)
ここで気になるのはコレステロール値。かつては、「卵は1日1個以上、食べてはいけない」という言説が、まことしやかに流布していたが……。
「実はコレステロールは、細胞壁を作るうえで重要な材料。全面的に悪いものではありません。
また、卵にはコレステロールを除去する作用のある『レシチン』も多く含まれています。1日に2~3個食べるくらいなら問題ないでしょう」(前同)
最後に青木氏から、読者へのひと言が。
「いくら体にいいからと、卵ばかり偏食してたら健康を害しかねません。バランスのいい食事を心がけてください」
青木氏は8月20日に『スーパーの食材で作る 世界の卵料理』(双葉社)を出版したばかり。
料理下手でも作れる簡単な料理はカナダの郷土料理でもある『モンティ クリスト』だ。
卵を食べて、生涯現役を目指そう!
青木敦子(あおき・あつこ)
博士(食物栄養学)、名誉フードスペシャリスト、栄養士。実践女子大学大学院生活科学研究科卒業、1997~1998年のイタリア、フィレンツェへの料理・語学留学を機に50回近く渡欧し、ミラノ、トリノ、ボローニャ、ローマ、レッチェにてイタリア料理を、スペイン・マドリッドにてスペイン料理をフランス・パリにてフランス料理を学ぶ。2007年にAISOにてオリーブオイルソムリエを取得。TVや雑誌、WEBサイト、ラジオ、イベントなどに出演、レシピ提供の他、講演・セミナーで講師、審査員を務める。
公式YouTube『食物栄養学博士 青木敦子のHAPPYエイジングチャンネル』、公式インスタグラム @ambrosio.japan