■王者ソフトバンクに死角が!?

 続いてパ・リーグは、昨季の覇者ソフトバンクと新庄日本ハムの一騎討ち。

 注目の直接対決では、福岡でソフトバンクが3タテすれば、日本ハムがすぐさま札幌でやり返すなど、文字通りの死闘が続いている。

「ソフトバンクは9月と10月で相性の良いオリックスと最多の11試合。一方の日本ハムも最下位ロッテと同9試合と、お得意様との対戦を多く残している。

 逆に直接対決は残り少ないだけに、下位との対戦でいかに取りこぼさないかが、勝負の鍵となってきそうです」(ベテラン記者)

 そこで“台風の目”となりそうなのが、ソフトバンクが現時点で唯一、負け越している4位の楽天。

 8月末時点で3位オリックスにも5ゲーム差と、一見するとCSすらも黄信号だが、ベテラン記者は「若手の台頭が著しく、ここ一番での爆発力がある」と言い、こう続ける。

「首位打者争いをする村林一輝(27)に加えて、この8月は、中島大輔(24)、ボイト(34)、黒川史陽(24)の3人がそろって3割超え。浅村栄斗(34)らを脇に追いやっている状況です。

楽天・村林一輝
首位打者奪取目前の楽天・村林一輝 ※画像/『@m.rakuten66』公式インスタグラムより

 ソフトバンクとも6試合を残すだけに、ともすれば日本ハムをアシストしたうえで3位浮上の可能性は、十分あると見ています」

 ただ、ここまでの戦いを見ても、戦力的には、やはり“2強”が抜きん出る。

 監督経験者の伊原春樹氏は、「3位がオリックス、楽天のどちらでも、ファイナルはおそらく2強の戦いになる」として、こう続ける。

「個人的にも3位はオリックスだと思うが、計算の立つ先発は九里亜蓮(34)ぐらい。宮城大弥(24)も今季は5回以降に突然、崩れるケースが目立っている。

 主軸の西川龍馬(30)や森友哉(30)らの戦列復帰は朗報だが、いくら打っても、抑えられなきゃ勝てないのが野球だしね」

 そうなると焦点は、アドバンテージ1勝&本拠地開催の“地の利”を得るのがどちらか、ということ。

 戦力的にもほぼ互角の両者だけに、フィニッシュが1位か2位かは、天と地ほどの差があると言える。

「ファイナルでの戦いを見据えるなら、2位チームはなんとしても先発1、2番手を温存したまま、ファーストステージを突破したい。