■桑原が斬り込み隊長の役割を果たせるか

 一方、野手陣に目を向ければ、DeNAは主砲・筒香嘉智(33)が、ここ一番の局面でさすがの存在感。

「左手手術からの復帰を期す主砲・牧秀悟(27)もCSを照準に急ピッチで調整中。

 巨人は、リチャード(26)に“ラッキーパンチ”でも飛び出せば状況も変わるが、こと打線に関しても、不利な状況だ」(前出のスポーツ紙デスク)

 野口氏が、さらに言う。

「牧が間に合えば、さらに弾みもつきますが、なんだかんだで、鍵は昨季の日本シリーズMVPでもある桑原将志(32)が斬り込み隊長の役割を果たせるか。

桑原将志
昨季の日本シリーズMVPでもある桑原将志 ※画像/産経ビジュアル

 7月以降は月間打率も3割前後と好調をキープ。本人に聞いても“体は全然、大丈夫。任せてください”と言っていましたしね」

 逆に、巨人に現状からのプラスアルファがあるとすれば、“背信”が続く戸郷翔征(25)の復活ぐらい。

 それにしたって、よほど調整がうまくハマるなどしない限りは、大幅な上積みにはならないだろう。

「あと、できることがあるとすれば、リーグワーストの失策数を記録した守備面の強化。それと、失敗も多かった送りバントなど小技の徹底ぐらいですかね。

 それにしても、ファイナルを勝ち抜くまでの余裕はない気がしますけど……」(他球団のスコアラー)

 そんな両者の戦いを待つ阪神は投打に戦力は充実。

 初戦の才木浩人(26)、村上頌樹(27)で連勝すれば、それだけで王手と、ストレート勝ちも視野に入る。

 前出の伊原氏が言う。

「不安要素があるとすれば、シーズン最終戦から2週間も空く日程ぐらい。とりわけ生きた球を打つ機会が減るのは、野手にとっても影響は甚大。そのブランクを、どう埋めるかが鍵だろう」