日本一決戦はトラ vs.タカに!?

“新庄マジック”の神通力にも陰りが見え始めた今となっては、ソフトバンク有利は、もはや揺るぎないと見ていいだろう。

「まぁ、伊藤が上限100球の中4日でフル回転をするなら、ファーストの初戦に投げても、ファイナルの2戦目で起用できる。

 そうなればハムにも勝機は見えてきますが、相当ハードルが高いことだけは間違いないですね」(野口氏)

 そうなると、日本シリーズは、03年、14年に続いて通算3度目となる阪神対ソフトバンクが最有力。

「王貞治会長は“阪神の強さは日本一の一昨年以上。シリーズで当たれば、投手勝負になる”とも予想しますが、それでも走・攻・守すべてにおいてソフトバンクが一枚上手。日本一の最有力候補です」(スポーツ紙デスク)

 ただ、監督での日本一の経験もある伊原氏は、「阪神のほうに、やや分がある」と、こう続ける。

「モイネロ、大関の両エースに続く存在が、ソフトバンクはちょっと心もとない。

 上沢直之(31)も、月間MVPを獲得するなど8月以降は調子を上げたが、有原と同じく、一度打たれ出すと続けざまに失点をする悪いクセは彼にもある。その点でも、阪神のほうが粒はそろっている印象だね」

 同じく阪神OBの野口氏も「パワーピッチができる才木は、モイネロに投げ勝てる可能性がある」と、4勝3敗で阪神を推すが……。

「リーグ戦で何度も対戦するパの打者でさえ、モイネロはそう打てない。彼で初戦が獲れたら、ソフトバンク有利と私は見ます。しかも、今季のソフトバンク打線は、つながりの部分では03年の‟ダイハード打線”をも凌駕する。ここで山川穂高(33)に一発でも出れば、いくら阪神といえど、お手上げでしょう」(前出のスコアラー)

 ただ、ポストシーズンは短期決戦がゆえ、行く末は神のみぞ知る。強豪の優勝か、史上初の下克上対決か――。勝利の女神がほほ笑むのは!?

阪神・中野拓夢
阪神キーマン中野拓夢 ※画像/産経ビジュアル

● CS進出球団 戦力分析&キーマン

セ・リーグ 阪神 DeNA 巨人
打撃 ★★★★ ★★★★ ★★★
走力 ★★★★★ ★★★ ★★
先発 ★★★★ ★★★★ ★★★
リリーフ ★★★★ ★★★ ★★★★
采配 ★★★★ ★★★ ★★
キーマン 中野拓夢 ケイ 泉口友汰
パ・リーグ ソフトバンク 日ハム オリックス
打撃 ★★★★ ★★★★★ ★★★★
走力 ★★★★ ★★★ ★★
先発 ★★★★ ★★★★★ ★★★★
リリーフ ★★★★★ ★★★ ★★★
采配 ★★★ ★★★★ ★★★
キーマン 栗原陵矢 清宮幸太郎 杉本裕太郎