■軽い、薄い、安っぽい……従来とは異なる大河への挑戦
最新技術を利用した撮影に加えて、従来の大河ドラマとは異なる挑戦は『どうする家康』の脚本にも表れている。
「情けない姿も含めて、新しい家康を描いて行こうという試みをしているんだと思います。作品のトーンが軽い、薄い、安っぽいという点に関しても、言い換えれば、今までの大河ドラマとは異なる作品を作ろうと挑戦しているのではないでしょうか。
岡田さん演じる信長が家康を指して”待ってろよ……竹千代。俺の白兎”というセリフも、第2回を観たくなるものでしたし、SNS上の反響もすごかった。既存の大河ドラマファン以外に見てもらうという意味でも、期待できます。
今後も、家康の人生は波乱含みですし、個人的には古沢良太さんならではの”過去がじわじわと明らかになっていく”脚本が楽しみです。通常、大河ドラマは1年間で50話ほどが放送されますが、中だるみはないようにしてほしい。まだ第1回しか観ていないので、すべてを判断することはできませんが、あと3か月以内に“家康いいじゃん!”と思えるような見せ場があるといいですね」
『どうする家康』第1回の世帯視聴率15.4%は、鈴木亮平(39)主演の18年『西郷どん』と並び、最下位の89年『春日局』の14.3%をわずかに上回るワースト2位。
松本にとっては大河ドラマ初出演で主演の『どうする家康』、今後どのような結果が待っているのだろうか――。
■番組情報
大河ドラマ『どうする家康』
NHK総合 毎週日曜日よる8時~
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ieyasu/
■吉田潮(よしだ・うしお)
テレビ評論家、コラムニスト、イラストレーター。『週刊新潮』(新潮社)『TVふうーん録』やNHK1.5ch『読む72時間』など連載多数。『週刊女性PRIME』や『文春オンライン』、『PRESIDENT ONLINE』などのメディアでもテレビドラマ関連の記事を執筆。著書に『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)、『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)など。