■佐久間氏との本番のために準備したこと

――そして2021年8月にホリプロを退所し、現在の事務所に移籍していますよね。

金久保 実はそのとき、「ここで2年がんばってみて、“もうムリだな”と思えるところまでがんばりきったら、芸能界を辞めよう」と思っていたんです。それで次の道を探そう、と。

――なぜ辞めようとまで思ったんでしょうか。

金久保 当時はありがたいことに芸能活動だけで食べていくことができてはいたんです。けど、それは自分が「若くてかわいい女の子」だからなんだろうなと。30歳を過ぎたときに同じように食えるのかと考えると、「今のままだと、無理だろうな」と思ったんです。そこに至ったことで肩の力が抜けた状態で気楽にがんばっていたら、なんだかいい方向にいっている気がするんですよね。

――そんな心境のなか、昨年12月、佐久間さんの公式YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」の「第5回口喧嘩最強女子オーディション」にご出演したんですね。印象に残るキャラクター性で話題になりました。こちらもオーディションがあったのでしょうか?

金久保 はい、スタッフさんと30分くらい雑談して、最後の3分で「口喧嘩をしてもらえませんか」と言われてやったら、スタッフさんが「僕がもうこれ以上言葉が出てこないので、結構です」と言われて、「勝った!」と思いました。

――佐久間さんとの口喧嘩当日は、なにか用意したことはありますか?

金久保 過去の動画を見させていただくと、「オラオラ!」という感じでブチギレている方が多かったのですが、私はそういうタイプではないし、無理をしてなぞるよりも、素の怒りを出していこうと思いました。

――緊張はしましたか?

金久保 前日まではすっごいしました。「これで完全に全世界の人から嫌われたらどうしよう……」と思い、ほんとうに気が重かったんです。けど、本番が終わってみればすっごく楽しかったです! ツイッターのフォロワー数も、1000人も増えて、「あの動画を見て、おもしろいと思うだけじゃなくて、わざわざ私のツイッターにフォローしにきてくれるなんて!」と、本当にうれしいです。

――佐久間さんとのやりとりで印象的だったことは?

金久保 私はバラエティまったくの未経験で、途中で「私はずっと怒っているけど、この先の展開をどうしたらいいんだろう」と困っていたら、次の展開にポンポンと進んで、ちゃんと道筋を作ってくれるんですよ。すごいですよねえ。

――視聴者からすると、初バラエティとは思えない肝の座りっぷりでしたよ。

金久保 いやいやいや! 面白味のかけらもない人間なので、まさか自分がバラエティに挑戦する日がくるなんて思わなかったです。

青空がよく似合う金久保さん  撮影:小島愛子