今年6月3日に惜しまれつつ亡くなった故・長嶋茂雄氏(享年89)と、ドジャースを初のワールドシリーズ(WS)連覇へと導いた大谷翔平(31)。 日本人の心をわし摑みにして放さない2大ヒーローを徹底比較。夢の対決が、ここに実現した!

■日本中が涙に暮れたミスター突然の訃報 大谷は二刀流復活で歓喜のWS連覇!

 今季のプロ野球を語るうえでも外せないのが、この新旧のスーパースター2人だろう。

「長嶋さんの訃報を受けて大谷は、氏の最期の“公の場”ともなったMLB開幕シリーズ、東京ドームでの秘蔵2ショットをSNSに公開。直後の本拠地メッツ戦でも、豪快な追悼アーチをかけました」(スポーツ紙MLB担当記者)

 むろん、誰よりも野球を愛し、野球に愛されたミスターにとっては、大谷の活躍こそが何よりの手向けだ。

 当の大谷も、同6月16日のパドレス戦で663日ぶりの復活登板を果たすと、その後も順調な回復ぶりを見せる。

 11試合目となった8月27日のレッズ戦では、5回9奪三振の好投で待望の今季初勝利も手中にした。

 自身もメジャー経験者である、藪恵壹氏が言う。

「マイナーなどで段階的に行う調整登板を、打者として出場しながら普通にこなしていたわけですから、実はそれだけでもすごいこと。

 復帰3戦目、6月28日のロイヤルズ戦で、いきなり164キロを記録したぐらいですから、彼もウズウズしていたんでしょう。ポストシーズンを見据え、慎重だったベンチは冷や汗ものだったでしょうけどね」

 そんな“二刀流”復活劇の原動力となったのは、やはり4月19日の第一子誕生だろう。

「その証拠に、例年は6月に来ていた本塁打のピークが、今季は5月だけで15発と前倒しで爆発。前半戦終了時点で、大リーグ史上3人目の“30本塁打&80得点”に到達する快進撃を見せつ
けました」(スポーツジャーナリスト)

 大リーグ評論家の福島良一氏も「心に余裕が感じられた」として、こう続ける。

「象徴的だったのが、復活登板も飾った対パドレス4連戦で彼が見せた、死球時の“神対応”でしょう。

 両軍監督が退場となるなど“報復合戦”で空気がピリつく中、当てられた大谷本人が、味方ベンチを“来なくていい”と制止。一瞬で臨戦態勢ムードを鎮めてみせたんです」