■設定でつまづいた『小さい頃は、神様がいて』
続いて、北村有起哉(51)が主演、仲間由紀恵(45)が妻役を演じた『小さい頃は、神様がいて』は、人気シリーズ『最後から二番目の恋』(同局系)などで知られる、岡田惠和氏による完全オリジナル脚本で、19年前、小倉渉(北村)、あん(仲間)が「子どもが二十歳になったら離婚する」という約束を交わすところから始まるホームコメディ。
北村、仲間というメイン俳優には弱さを感じたが、何しろ脚本はベテランの岡田氏。じんわり染み入る感動ドラマを期待したが、全話平均視聴率は3.7%と惨敗。これは、“離婚を前提とした家族”という設定に無理があったように思われ、毎回、渉とあんのやり取りを見ながら、さっさとヨリを戻せばいいのにと、もやもやが終始つきまとっていた。
周辺人物はベテランから若手まで名優が揃っていたので、家族の再構成を描くならば、ほかの切り口があったように思う。毎回、松任谷由実の過去のヒットソングを挿入歌に使っていたが、曲との相乗効果が薄かったのも残念。もっとユーミンソングの歌詞をオマージュしたエピソードで構成していれば、中高年の支持をつかめたかもしれない。