■12歳の愛娘は“お笑い”のアドバイザー

――なるほど! 本の中の印象的なトピックとしては、娘さん(12歳)の“自由な”子育ての話があります。もともと、内間さんは沖縄の実家ではお母さんの束縛があったそうで……。

内間  そうなんです。俺は小・中・高・大学と沖縄で過ごしてきたんですが、心配性の母の縛りがとてもきつくて、自由というものを感じることがなかったんです。それが嫌で東京に出たんですが、娘には“嫌で家を出る”、ということをしてほしくないなと。

 子どもを縛る親はみなさん、「子どものため」と言いますがそれは結局、親、自分の希望じゃないですか。「子どもの幸せを願って」とも言いますが……幸せを感じるのは心で、それは子ども本人しか感じられないものですよね。

――たしかにそうですね。

内間  将来の金銭面のこととかの心配もしますが、それも子どもが将来、金銭的な問題を抱える、上手く生きてきけない、お金を稼ぐ能力がない、と思っているからですよね。だから、ああしなさい、こうしなさいと言っているんだと思うんですよ。

 子どもを信じるというなら、本当に子どもの好きなようにさせてあげるべきではないか、と思いますね。

 ただ、信じて自由にさせてあげるのにも限度というのがあると思うんですが、俺はあまりにも限度を作らなさすぎて、今は子どもにめちゃくちゃ舐められてますね(笑)。

――(笑)。でも、娘さんは“お笑いセンス”も優秀ですよね。本の中にもありますが、内間さんはバラエティ番組の事前のアンケートを、娘さんのアドバイスをもらって埋めているんですよね?

内間  そうなんです。ただ、最近、娘が忙しいのでなかなか毎回はお願いできないのですが。でも確かに、けっこう鋭いところを突いてくるんですよね。

 そういえば最近、俺と妻、娘の家族3人でBBQに行ったんですよ。好きでちょくちょく行くんですが、その日のBBQでは、鶏のもも肉を網に入れて、宮崎地鶏のように黒くなる感じで炭に近づけて焼いていったんですが、それがめちゃくちゃ美味しかったんです。

 それで「美味しいね~」と盛り上がっていたら娘が、いろんな食材を炭火焼きしたら美味しいんじゃないかと言いまして。野菜とかを焼いていくイメージですよね。そこで俺が「じゃあ生卵は?」と言ったんです。すると娘は、「ツッコミだよりのボケはやめて!」と(笑)。

――的確かつ秀逸なワードですね。

内間  鋭いですよね。あと最近、弟が結婚したんですよ。それで弟は沖縄に住んでいるんですが、奥さんと一緒に東京に遊びに来て、うちの家族3人とご飯を食べたんです。食事会は和やかな感じで終わったんですが、別れた後、娘が一言、ボソっと言ったんです。

――なんと?

「内間家にふさわしい人やと思った」って(笑)。どの目線から? という気もしますが、たしかにそんな気がしましたね。弟の奥さんは、なんというか質素な感じと言いますか、地方の女子アナのような感じで……。いや、綺麗なんですよ、でも東京のキー局のきらびやかな女子アナではない感じで。優しそうな空気感を含めたそういう雰囲気が「内間家にふさわしい」という意味だったんでしょうね。

 あと、“お笑いセンス”で言うと、最近、娘は俺の見た目を「ドロボウ」といじってくるのですが、まず頭が坊主なので「ドロボウ」だと。ひげもそういうふうに生えているので「ドロボウ」だと。で、その話をしているときちょうど黒い服を着ていたので「ドロボウ」だと。そこで俺が毛がたくさん生えている腕を見せて「これは?」と聞くと、「ゴボウ」と(笑)。なかなか腕あるなあと。

はにかみなが語る内間さん 撮影:白木淳也