■誰にも感情移入できない『夫に間違いありません』
そして、松下奈緒(40)主演の『夫に間違いありません』(カンテレ制作・フジテレビ系)は、主人公・朝比聖子(松下)が、川で事故死した遺体を夫・一樹(安田顕/52)だと誤認し、保険金5000万円を受け取るが、その1年後に死んだはずの一樹が突如として帰還するところから始まるヒューマンサスペンス。
考察系ミステリーかと思いきや、出てくる人物がみんな“うかつ”な判断をして泥沼にハマっていく、けっこうなトンデモぶり。あまりに身勝手なため、視聴者から“クズッキー”と呼ばれている一樹は言うに及ばず、その一樹を素直に受け入れてしまう聖子。弟・光聖(中村海人/28)も隠蔽に加担してしまうし、紗春(桜井ユキ/39)も味方のような顔をしているが、明らかになにか隠している。
これほどまでに誰にも同情できないようでは、トンデモ展開も笑って見ていられず、ひたすらイライラしてばかりという現状だ。TVerのお気に入り登録数が49万台から伸び悩み、数字がナギ状態なのも仕方ないこと。全員が不幸になる結末しか予想できないが、いったいどんな幕引きとなるのか? 逆に気になってしまう。
前半で苦戦しているものの、まだ後半が残っている。どんでん返しの展開や、サプライズゲストの投入など、見続けている視聴者の反響や口コミから、V字回復の可能性がないわけではない。3作が崖っぷちから抜け出せるか、今後の展開を見守りたい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。