■千葉市動物公園だけでも8頭 風太さんの遺伝子を持つ子孫が日本中にいる

 それでも寄る年波には勝てないのか、風太さんは「2020年にわずかに立つこともあったものの、今は立ち上がることはありません」(レッサーパンダ飼育員、コメントは以下同)とのこと。さらに、
「若い頃は立ち上がることも多く、良く動き回り、好奇心が強かった風太ですが。現在は右目が白内障で見えず、歯もだいぶなくなってしまいました。笹の葉をそのまま食べることも減りましたので、ミルにかけて細かく砕いてから、餌に振りかけて与えています」

 また、高齢で体力の衰えも見えるとのことで、動物園側も例年の夏の猛暑対策には気を配っているんだとか。

「寝室や屋外に冷暖房機器を設置したり、夏場は展示場にいる時間を調整したりして対応しています。それでも体調を崩して食欲がない日には、煮サツマイモやリンゴを細かく砕いて笹の粉と一緒に混ぜて団子にして与えることもあります」

 風太さんが今も元気で一安心。しかし、もう、あのかわいらしい立ち姿は拝めないのか……と思いきや、

「本来、レッサーパンダは生態の特徴として後ろ足で立つことができます。当園でも風太の孫にあたる『メイタ』『ゆう』『みい』も立ち上がりますし、特にみいは、朝の餌の時間に立ち姿で待つ姿がよく見られます」

 彼の遺伝子は確かに残っている。

 8頭の子供をはじめ、孫やひ孫、やしゃごと、数多くの風太さんの子孫が全国の動物園で暮らしているという。実は、日本の動物園で飼育されるレッサーパンダのほとんどが風太さんの種類である『シセンレッサーパンダ』。さらには、世界中で飼育されているレッサーパンダの4分の3が日本にいる。全国で飼育できる上限に達しつつあること、血統も複雑化している今、繁殖のためのペア形成にも最大限に注意を払っているというンダ。

「日本動物園水族館協会の指導の下、レッサーパンダなどの希少動物は血統管理が行われ、近交係数など考慮したペアの組み合わせが行われ、優先度の高い個体からペア形成・繁殖に取り組んでいます」

 ジャイアントパンダの再訪を待たずとも、“元祖パンダ”は日本各地の動物園で生活している。この週末は彼らの様子に目を向けてみるのも楽しいはず。もしかすると立ち上がる姿も見られるンダ!

取材協力:千葉市動物公園
[住  所] 千葉市若葉区源町280
[開園時間] 午前9時30分から午後4時30分まで※最終入園は各ゲート午後4時まで
[休園日] 毎週水曜日(水曜日が休日にあたる時は翌日)/年末年始(12月29日から1月1日)
[公式ホームページ] https://www.city.chiba.jp/zoo/index.html