物価は高騰し、手取りを見れば「なぜこんなに引かれているのか……」と憂える日々。生活費を稼ぐのも大切だが、「知らないとソンをする」ことが多いのもまた事実。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏、株式会社Money&Youの取締役である高山一惠氏、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏、消費生活ジャーナリストの岩田昭男氏という“マネーの達人”4人が、お金にまつわる知恵を伝授。後編では、「収入の壁」や「年金のもらい方」「退職金」など、知らないとソンする知識をQ&A方式でズバリ回答する。《前編はこちらから》

Q1:年収300万円で2年働くのと年収150万円で4年働くのでは、手取りが多いのはどっち?

A1:年収150万円のほうが手取りは多いが……

 風呂内氏によれば、年収300万円の場合、1年間の手取りが約235万円なので、2年間で計470 万円。年収150万円の場合、1年間が約126万円で4年合計504万円との試算が出るが、「これは、ただの計算上の話。税金や社会保険料の負担は軽くなるかもしれませんが、年間約110万円手取りが増える状態を前倒しできるなら、300 万円稼ぐことができる人が仕事を抑える必要性はないでしょう。しかも、途中で制度が変わり手取りが変わってしまう可能性もありますしね」

 また、高山氏も「収入を抑えすぎると生活水準が大きく下がるうえ、社会保険料が少ない=将来もらえる年金も減る可能性が高くなるので、年収150万円のほうがお得とは言えません」と話す。

Q2:派遣社員と契約社員で、社会保険に入れるのはどっち?

A2:雇用形態の違いはない

 週20時間以上働いているか、月収8万8000円以上かなどの条件で、社会保険に加入するかどうかが決まる。現在は、従業員51人以上の企業で年収106万円以上になると社会保険に加入できるが、今後は、この条件自体を緩和する方向で議論が進んでいる。

Q3:国民年金、65歳から受け取るのと70歳から受け取るの、どっちがお得にもらえる?

A3:損益分岐点は82歳前後

「公的年金の、65歳と70歳の受け取り開始年齢による損益分岐点は82歳前後という計算になります。年金の世界には、次のような格言があります。『繰り上げして後悔するのはこの世、繰り下げして後悔するのはあの世』。繰り上げると少ない金額を受け取り続けることになり、“本当はもっともらえたのに”と後悔しながら生活する。一方で、繰り下げて年間の受給額を増やしても、早くに亡くなってしまえばもらえる期間が短くて損をするように感じる(でも、亡くなっているので感じない)。今すぐお金に困っている事情がないのであれば、私は、基本的に繰り下げ受給を選ぶほうが無難だと考えています」(風呂内氏)