■教育費や将来の備えを確保しつつローンの返済を維持できる現実的なラインは「世帯年収の“5倍から7倍”程度」

――現在は低金利ですが金利が上昇し、今後住宅ローンの支払額が増える可能性があると思われます。今後の金利についてはどのように考えればいいでしょうか。

「現状は低金利の時代が続いたため、変動金利を選択する人が多いと言われています。変動金利は固定金利と比べて金利が低いことが魅力ですが、金利上昇の可能性があり、固定金利よりもリスクがある選択と言えます。従来は金利が大きく上昇することは想定しなくてもよい時代でしたが、今後は金利上昇を考慮しておかなければなりません。

 変動金利を選択する場合は、貸出時の金利のみで返済可能かを考えるだけでなく、金利が1%上昇したらどうなるか、2%上昇したらどうなるかをシミュレーションしておくことをおすすめします。

 また、変動金利を選択する場合は、「5年ルール」と「125%ルール」を把握しておく必要があります。変動金利は半年に一度金利が見直されますが、5年間は支払額を一定に据え置く5年ルールがあります。ただし、据え置かれた返済額のなかで「利息の割合」が増え、「元金の返済分」が減ります。 つまり、ローンがなかなか減らない状態に陥ります。

 125%ルールとは5年後の見直し時、新しい返済額はこれまでの125%を上限とするというルールです。上限が定められていたとしても払うべき金額が免除されるわけではありません。払いきれない部分は将来に繰り越され、最後に精算するか、完済が伸びることになります」

――低金利だからといって年収の10倍の金額を住宅ローンで組んでお金を借りるというのは危険だということですね。

「ここで注意しなければならないのは『借りられる額』と『返せる額』は違うということです。銀行が貸せると評価したのだから、自分は問題なく返せるはずと思うのは大きな間違いです。お子様がいる家庭で、教育費や将来の備えを確保しつつローンの返済を維持できる現実的なラインは世帯年収の“5倍から7倍”程度です。

 年収1600万円で1億5000万円の住宅ローンだと約9.4倍で上記の範囲を大きく超えています。この水準だと、教育費の積み立てが十分できなかったり、家族旅行や外食にお金を使う余裕がなくなったりと『生活の質』を維持するのが難しくなります」

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税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格を持つ宮岡秀峰氏 ※提供画像

宮岡秀峰(みやおか・しゅうほう)
公認会計士、税理士、行政書士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)。税理士法人アクシア代表社員、アクシア公認会計士事務所代表。公認会計士として会計・財務の視点から中小企業支援に取り組むほか、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。講演や税務相談の実績も豊富で、会計・税務分野の書籍共著、雑誌寄稿も行っている。

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