■最下位予想は不動のヤクルト
また、4年目の新井貴浩監督の広島も、Aクラス入りに向け、本気モード。
年明けには、羽月隆太郎の逮捕で球界に激震も、一部からは「その余波で、いい意味の緊張感がチーム全体に生まれた」(スポーツ紙記者)と“ケガの功名”を指摘する声も上がっている。
「森下暢仁(28)も6勝14敗と、大きく負け越した昨季のようなことには、おそらくならない。先発転向の栗林良吏(29)が3本柱に続く存在になれば、面白いと思いますよ」(評論家の野口寿浩氏)
ちなみに、プロではフォークでセーブを荒稼ぎしてきた栗林だが、野口氏は「彼の持ち球で最もいいのは、実はカットボール」として、こう続ける。
「トヨタで球を受けていた元横浜の細山田武史に聞いた話ですから、間違いないと思います。抑えとしては必要のなかったカットやカーブといった変化球の“解禁”で、彼が、どんな投球を見せるか楽しみです」
一方、野手では、ドラ1の平川蓮(21)、ドラ3の勝田成(22)らが、オープン戦でも存在感。とりわけ、163センチと球界最小兵の勝田は、数多の内野手を見てきた伊原春樹氏も太鼓判を押す。
「彼の存在は、三塁の2年目・佐々木泰(23)とともに今季、広島の鍵になる。矢野雅哉(27)あたりはこのままだと早晩、出番もなくなるんじゃないかな」
なお、ヤクルトの最下位予想は、OBとしてコーチ経験もある野口氏さえもが「阪神の1位予想と同じくらい不動」と、きっぱり。
先のキャンプでは、山田哲人(33)に続き、遊撃手転向の内山壮真(23)やドラ1・松下歩叶(22/法政大)ら主力候補が相次ぎ離脱、さっそく、“ヤ戦病院”ぶりを見せるが、伊原氏は、こう指摘する。
「キャンプ地・浦添で新監督の池山隆寛に“4番は、どうするんだ”と聞いたら、ちょうど打撃練習中だった捕手の古賀優大(27)を指して、“彼も候補の一人ですよ”なんて言ってたけどね。
村上宗隆(26/ホワイトソックス)の穴は、古賀や内山では埋まらない。ちょっと危機感がなさすぎる気はしたよな」
下馬評通り、阪神が2リーグ制後初の連覇となるか。混迷の上位争いから、今季は、さらに目が離せない。
【後編】日ハムOB野口寿浩&元西武監督・伊原春樹が徹底解説、開幕目前ペナントレース予想【パ・リーグ編】では、新庄剛志監督“5年目の正直”日本ハム優勝のキーマンや、絶対王者・ソフトバンクが終盤で苦しみそうな理由などを詳報している。
伊原春樹(いはら・はるき)
1949年1月18日、広島県甲奴郡上下町(現・府中市)生まれ。北川工高(現・府中東高)から芝浦工大を経て、ドラフト2位で71年西鉄ライオンズに入団し、内野手として活躍。76年から巨人に移籍したが、78年にライオンズ復帰。80年限りで現役を引退し、翌年から99年まで西武で守備走塁コーチなどを務め、黄金時代を築いたチームの名3塁コーチとして勝利に貢献。2000年の阪神コーチ、01年の西武コーチを経て、02年に西武監督就任1年目でリーグ優勝を果たす。04年にはオリックス監督、07年から10年まで巨人ヘッドコーチ。14年の西武監督など歴任し、通算14回のリーグ優勝、7回の日本一を経験している。
野口寿浩(のぐち・としひろ)
1971年生まれ、千葉県出身。習志野高時代に高校通算11本塁打を記録し、89年オフにドラフト外でヤクルトスワローズに入団。98年に日本ハムファイターズへ交換トレードで移籍し、監督推薦でオールスターに初選出。99年には正捕手として130試合に出場。翌年には最高打率.298を残し、得点圏打率もリーグトップで、「ビッグバン打線の恐怖の8番」と恐れられた。捕手としても盗塁阻止率.423を記録し、二度目のオールスターゲーム出場。03年にはトレードで阪神タイガースに移籍し、翌年10月4日の広島戦では井川慶とバッテリーを組んでノーヒットノーランを達成した。08年には再取得したFA権を行使し、横浜ベイスターズへ移籍。引退後は、17年にヤクルト2軍バッテリーコーチ、18年は1軍バッテリーコーチを務めた。