■CFPの回答

――竹内里奈さんは大手銀行で総合職として勤務していました。会社の定年は65歳、平均年収は860万円で平均勤続年数はおよそ16年ほどです。里奈さんは総合職ですので平均年収よりも多くの給料を受け取とることができると考えられます。仮に里奈さんが65歳まで会社に残っていた場合、どれくらいの金額を生涯獲得賃金として受け取ることができたのでしょうか。

 28歳で年収800万円の「大手銀行の総合職」は、一般的な正社員平均と比べるとかなり高い水準にあります。たとえば、JILPT「ユースフル労働統計2025」によれば、大学卒女性がフルタイム正社員として60歳まで働いた場合の生涯賃金は約2億990万円、退職金込みでも約2.7億円が一つの標準的な目安とされています。

(ユースフル労働統計における生涯賃金は、賃金構造基本統計調査による年齢階級別の平均賃金を生涯にわたって積み上げた推計値であり、あくまで標準的なキャリアの目安を示す数値です。)

 こうした標準的な賃金水準を踏まえると、本ケースは20代後半にしてすでに高収入でスタートしている点が大きな特徴といえます。一方で、大手銀行の総合職であっても昇進ペースや配置、役職定年後の処遇は一様ではありません。金融業・保険業では賃金のピークが50~54歳にあるケースが多く、その後は55~59歳、60~64歳と年収が低下する傾向が見られるため、50代後半以降の減収は現実的に織り込む必要があります。

 こうした平均的な賃金カーブと処遇変化を前提にすると、65歳までの累計給与(賞与込み・税引前)は、3.6~3.8億円程度が一つの通常レンジと考えるのが妥当でしょう。

 そのうえで、仮にキャリアが順調に推移し、大手銀行総合職の中でも上位層(たとえば上位2~3割程度)位置づけられる場合には、30代で年収1000万円前後、40代後半から50代前半にかけて1300万~1500万円程度まで到達する可能性もあります。このようなケースでは、累計給与が4億円前後から4億円台前半に達することもあり得るでしょう。