■SNSで「怪しい」の声が多く出た茂木幸輝を稔が“細かくチェック”
次に、「事件を知りすぎている人物」点では、第2話で、昏睡状態で発見されたノンフィクション作家の、飯尾和樹演じる津田が最有力候補となる。田鎖兄弟の父と口論したその日に、殺害が起こっている。ただし、これは分かりやすすぎる伏線だ。新井作品の場合、こういった明確な伏線が張られている場合はミスリードであることが多い。
それより第3話の予告で、この津田が目を開くシーンがあることから、実は、田鎖夫婦殺害の犯人を追い続けていた=真犯人を知っている重要人物である可能性が浮上した。この場合、津田自身が「口封じ」で殺されるパターンも考えられる。
「最も信頼されていた人物による裏切り」での最有力候補は、茂木幸輝(山中崇・48)だろう。茂木は第1話からSNSでは「怪しい」の声が多かった。これだけ田鎖兄弟を気遣っているのだから、茂木が犯人であれば、視聴者へのいい意味での裏切りは大きい。だが同時にSNSでは「もっちゃんが犯人ならドラマ性が強すぎて、ミスリードの可能性が高い」とも囁かれており、それももっともだと思われる。
しかし、だ。「憶測では語らない」キャラクターの稔が、第2話で、茂木の店の納品書を見て「値段が合ってない」と指摘するシーンがあった。なぜ、稔はこんな細かいところまでチェックをしているのか。単なる優しさか、それとも見張っている……?
もしかしたら、稔はその素振りこそ見せないものの、茂木が何か事件の鍵を握っていると睨んでいるかもしれない。
最後、「被害者を助けていながらも多くの秘密を抱えた人物」で挙がるのは、晴子だ。ここで、第2話で筆者が感じた違和感がある。それは、元新聞記者で、これだけ情報収集能力が高いにもかかわらず、田鎖兄弟の前で、「もう事件追求はやめてほしかった」「16年前の今日、時効を迎えて終わった」などと口にしたことだ。なぜ彼女は諦めたのか。それとも何か掴んでいる? そして何より、茂木から「晴子とはもう会わないのか」と問われた時の、稔のあの微妙な表情の意図は──?
このように、考察していけばキリがないが、とにかく気になったのは、第3話予告中での、津田が目を見開いたシーンだ。そのシーンの全貌が明らかになった時、また新たなヒントが提示されるような気がしてならない。
衣輪晋一(きぬわ・しんいち)
メディア研究家。雑誌『TVガイド』を経て制作現場を直接、長年見た経験とインタビュー経験から、多くのエンタメコンテンツを執筆。現在『マイナビニュース』『オリコンニュース』をはじめ、昨今では『東洋経済オンライン』でビジネス系のメディア研究も。写真集『堂本剛の正直I LOVE YOU』企画発案。元『メンズナックル』コピーライターなどサブカルにも通じる。制作会社でドラマアドバイザーを務めた経験もある。