日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、注目したのは、シニア世代の住宅問題についてです。

 団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となった「2025年問題」を通過し、社会保障費が145兆円規模へと膨張する未曾有の局面に突入しました。こうした中、シニア世代が直面しているのが、住み替えを希望しながらも賃貸物件の入居を拒まれる「住宅弱者」の問題です。

 長年住み慣れた家が広すぎて管理しきれない、あるいは階段の上り下りが膝の負担になると感じて転居を試みても、不動産店で門前払いを受けるケースが後を絶ちません。

 実際、株式会社R65が実施した「高齢者の住宅難民問題に関する実態調査(2025年)」によれば、65歳を超えて賃貸住宅を探した人のうち、約3人に1人にあたる30.4%が「年齢を理由に入居を断られた経験がある」と回答。

 さらに直近1年以内に限定すると、その割合は36.7%にまで跳ね上がっています。貸し手側が孤独死のリスクや家賃滞納、連帯保証人の不在を過度に懸念し、高齢者という属性だけで一律に入居を拒む構造的な拒絶が根深く残っています。

 こうした厳しい住宅事情の中で、新たな受け皿として急速に支持を広げているのが「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。