■プライバシーを確保しながら万が一の備えを得られる「サ高住」

 サ高住の最大の特徴は、一般的な賃貸住宅の自由さと、介護施設の安心感を掛け合わせた立ち位置にあります。原則としてバリアフリー設計が施されており、日中は生活相談員や専門スタッフが常駐。安否確認や日常の困りごとを相談できる体制が整っています。それでいて、外出や門限の制限がほとんどない物件が多く、自立した生活を望むアクティブなシニア層にとって、プライバシーを確保しながら万が一の備えを得られる点は大きな魅力。

 ネット上でも、

《60歳を過ぎてから引っ越しを考えたが、不動産屋で何度も断られて心が折れかけた。年齢だけで判断されるのはあまりに厳しい》

《実家の母が2階建ての家で膝を痛そうにしているのを見て、平坦なサ高住への入居を勧めた。見守りがあるだけで離れて暮らす家族としても安心感が違う》

《元気なうちは自由に出歩きたいし、買い物や趣味も楽しみたい。集団生活が中心の老人ホームより、自分のペースで暮らせる賃貸形式が理想的だった》

といった、さまざまな声が寄せられています。

 市場の広がりも顕著です。10年前には全国で5000棟程度だった登録数は、2026年現在で8000棟を突破。学研ホールディングスやSOMPOホールディングスといった大手資本が相次いで参入し、競争原理が働いたことでサービスの多様化が進みました。初期費用を抑えた「入居一時金0円」の物件や、積水ハウスグループの「グランドマスト」のように、平均的な広さを大きく上回る30〜60平方メートル超のゆったりした居室を提供する住宅まで登場しています。かつては高額なイメージが先行していましたが、地方では食費込みで月額10万円台前半から利用できるケースも増えており、経済的な選択肢としての幅も広がりつつあります。