■元気なうちに入居して将来の介護への備えをする人も

「“住宅弱者”という言葉が示す通り、現在の賃貸市場における高齢者への対応は、依然として慎重な姿勢が続いています。一方で、政府は増大し続ける社会保障費や医療費の抑制に向け、病院ではなく『住まい』での生活支援を重視する方針を打ち出しました。サ高住はこの国策とも合致し、登録制度によって自治体のチェックが入るため、不当な一時金の徴収が禁じられるなど透明性が高いのも利点。

 最近では、将来的な介護リスクを見据え、要介護度が低いうちから入居して地域の医療・介護ネットワークと繋がっておくという賢い選択をする層も目立ちます。サ高住は単なる住み替え先にとどまらず、人生100年時代を支える戦略的な拠点へと進化しつつある。所得に応じた価格帯の整備がさらに進めば、この流れは加速するはずです」(生活情報サイト編集者)

 団塊の世代がすべて後期高齢者となった今、住まいの問題は個人の悩みを超え、社会全体の喫緊の課題。外出や門限に縛られず、趣味の集まりといった「日常」を維持しながら、プロの“見守り”という盾を得る。サ高住という選択は、不透明な未来に対する最も現実的で納得感のある回答なのかもしれません。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。