■どうすれば自分の“隠れた才能”に気づくことができるのか
──大谷選手の秘めていた才能と、それを育てる環境がマッチしたことで才能が開花されたのですね。
「将棋の藤井聡太さんは小学生のときに大人と詰将棋をやって、大人に負けて大泣きしたそうですよ。いくら将棋好きな子でも大人に負けて泣くか。羽生結弦さんはアイススケート場に入った瞬間からくるくる回ってたらしい。大谷翔平・藤井聡太・羽生結弦、つまり野球のミットとバット、将棋の駒、氷の上、その環境と遭遇したときに、彼らの中にある才能が引っ張り出されていく。人間の特性っていうのは、そういうものなんじゃないのかな」
──“自分の才能”が何なのか知る方法はあるのでしょうか?
「“自分で自分の才能に気づいていない”っていうことをまずスタートにするべきだと思います。ある刺激があって、それと結びついた瞬間に、内側から皮が剥けていくみたいに才能が発揮される。脱皮するみたいに、ストーンと一皮脱いでゆく。それがいわゆる学びのパワーなんだよね。
皆さん方も学生時代に“退屈な授業があった”としみじみ思っただろうけど、それは教育っていうシステムが懸命に、“この人の才能が何で開花するか”を探しているの。それが教科なんだ。数学という教科でその人が突然変わるかもしれない。国語かもしれない。美術かもしれない。音楽かもしれない。自分の才能とバチっとマッチする環境といかに出会うチャンスをつくっていくか。それが学校という場であり、だから学校教育は大事なんですよね。
だからお金をかければいいってもんじゃないんだ。その子の持っている才能、形質がどんな教科、環境とピッタリ重なり合うか。それが一番重要なんですよね」