武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。
『考えてはいけないことリスト』(フォレスト出版)をテーマに、お話をさせていただいております。
さて本書のツカミで、いきなり興味深い話が書かれています。
21世紀の私たちは、情報の渦の中で暮らしています。そして、その圧倒的な量に、もはや溺れている状態になってしまっています(堀田秀吾. 『考えてはいけないことリスト』. フォレスト出版, 2025=以下同)
言われてみるとハッとするけど、テレビやラジオ、そしてスマホからは言うに及ばず街中や電車の中にも、実に多種多様な情報が飛び交っていて、私たちは毎日、大量の情報の海で溺れているような状態です。
なんと、現代人が1日に受け取る情報量は、中世の人の一生分に匹敵するという説まであるそうです。これは、ちょっとショックですよね。
そういえば大河ドラマの『べらぼう』を見てるときに思ったもんな。舞台となった江戸時代は近世ですが、みんな幸せそうだったもん。吉原で女遊びをしている男たちを見ていると、お気楽でしたもんね。
考えることが少ないっていうのが、あんなにも人間を軽やかにするんだと羨ましかったもの。それもこれも、入ってくる情報が少なかったから。つまり、考える必要がなかったんですね。
ところが現代を生きる私たちときたら、息苦しいまでの情報に囲まれている。
ふだん、意識しておりませんが、我々はメディアやSNSからあふれ出る大量の情報を受け取り、否応なく、それらの情報について考えさせられている。
本来、情報は私たちの生活を助けるための道具です。しかし薬も量が過ぎれば毒にもなります。あふれる情報は「比較」「評価」「将来の不安」を加速させ、私たちの頭の中を絶え間なく騒がせるのです(同)
著書には、こうあります。
「比較」「評価」「将来の不安」──この3つ、全部、テレビをはじめとするオールドメディアが流していることですよね。