武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。

考えてはいけないことリスト』(堀田秀吾著・フォレスト出版)をテーマにお話をさせていただいておりますが、前回は「夜中に目が覚めてトイレにいくと、ふと不安にかられて眠れなくなる」という私の実体験から“考えないこと”の大切さ、“頭に余白をつくる”ことの重要性について、武田流の切り口で語らせていただきました。

 さて、この“考えない”ということですが、人というのはどうしても頭の中のどこかに不安や悩み事といったネガティブな要因を抱えているものです。そこで、不安や悩み事の正体を見抜くためにも、自分の悩み事をクールに冷静な目で見つめてみましょう。

 ここでご自身を振り返ってみてください。

 アナタはニュース番組を見たとき「ポジティブなニュース」と「ネガティブなニュース」と、どちらに関心を持ちますか?

 おそらく「ネガティブなニュース」とお答えになる方が多いのではないでしょうか。

 実は人というのはネガティブな情報に敏感にできています。それはネガティブな情報に敏感なほうが危険から逃れやすいから。遺伝子の段階ですでに刻まれた本能として、ポジティブな情報よりネガティブな情報に注意が向きやすい傾向にある“ネガティブバイアス”というクセが人間の脳にはあるそうです。

 さらに厄介なのが、ネガティブバイアスに加えて“確証バイアス”というクセもある。

 これは何かというと、自分の抱いたネガティブな思い込みを強化する情報ばかりを集めてしまう心(脳)のクセ。確証バイアスに捉われると、不安の材料ばかり探すようになる。

 このネガティブバイアスと確証バイアスに挟まれると負のスパイラルが始まります。