■日本人のイベント好きは農耕文化が原因か

『5-httplr』遺伝子は、大きく分けると3パターンあるそうで、この『SS型』は、悲観的で慎重になるタイプ。他には、楽観的で大胆な性質の『LL型』、中間型にあたる『SL型』の2パターンの遺伝子があるそうだ。

「あくまで一説ですが、日本人は縄文時代から3000年以上(一説では6000年以上前とも)、稲作をし、定住生活を送ってきました。その中で、より多く米を収穫できるよう注意深く栽培したり、地震による土砂崩れや津波などの災害から逃れられたりするようにするのに、不安傾向を持つ人々が生き残りやすかった。つまり、稲作文化が進むうちに『LL型』や『SL型』の多くが淘汰されたていったということです」

 ちなみに「外国人が行列に並ぶ日本人を見て驚く」という“あるある”は、外国の人には日本人ほど『SS型』が多くないから。欧米人の狩猟文化と、日本の農耕文化の考え方が馴染めないゆえに発生するのだそうだ。

「これも仮説ですが、昔、人間が協力して仕留めないといけなかったマンモスなどの大型の獲物は、初期のホモサピエンスが狩り尽くしたと言われています。残った小・中型の獲物は個人で試行錯誤して“早い者勝ち”で獲らないといけない。そうして発展した狩猟文化は、“タイムイズマネー”という言葉の通り、コスパやタイパを重視する傾向になっています」

 日本人の心配性な性格こそ、生活の危機やコメの不作の危険を察知し、リスクを未然に回避することに一役買っていたという背景があるのだ。

「その中で“不安を緩和する”という目的で村の中で行われたのが“祭り”です。村民同士の協力が必要不可欠な稲作文化の中、月に一度の“祭り”は村の一体感に酔いしれるというイベント。村社会が崩壊した現在でも、この“仲間の存在を感じたい”という感覚は残り、“村”が“会社”へと姿を変えて“飲み会文化”が祭りの一種です」

 しかし、今の若者はこの『飲み会』を敬遠しがちなのが現代の潮流。“祭り”が嫌いな現代の若者たちが行列を作るのは、なぜだろうか?

「実は現代の若者にも、飲み会に代わる“祭り”は存在しています。彼らが飲み会を嫌うのは育った環境が関係している。Z世代と呼ばれる今の若い人たちは、テレビゲームなどを通して“自分で選択する”ことに慣れ親しんだ世代です。上司や先輩から強制的に参加させられる飲み会に対しては、“心理的リアクタンス”と呼ばれる心理的抵抗反応が出てしまうんです」