武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。
『考えてはいけないことリスト』(フォレスト出版)という、明治大学教授の堀田秀吾さんという方がお書きになった話題の書を参考文献として、より良く生きていくために「考えてはいけないこと」「考えていいこと」について語らせていただいております。
まずは、私の体験談をお話ししましょう。先日、私が車を運転していたときの話。
用事をすませての帰り道。走っている道を左に曲がって自宅へ帰るコースだったんですが、ちょうど私が進む道が道路工事をしておりましてね。
そのエリアは、右車線を開放して、対向車線から来る車と交互に通すようにしていたんですね。
車を誘導していた現場の交通誘導員の人が、反対から来る車を右車線に通すために、こちらに向かって、「なるべく左に寄れ、寄れ」と道を空けるように合図してくる。
その合図に従って車を少し道の左側に寄せて待つ武田。
反対車線からの車が通った後、誘導員の手信号に従って工事現場を抜けました。自宅に帰るべく道を左折したんですが、私の頭の中に最初に見た「左へ寄れ」の合図が、ずっと残っていたんでしょうね。その後、道を左折するために左に寄りすぎて、ものの見事に車の左側をガードレールに擦っちゃった。
「うわっ! 当たった」
と思った瞬間……もうガッカリ。
それから、車の傷を見るたびに頭の中を、あの日の出来事がよぎる。
「擦っちゃったなぁ」
「当たったよなぁ」
「ガードレールにえぐられてるよ」
「うわあ、こんなに傷ついてるじゃないか」。
と、擦ったことを繰り返し思い出しては、あのときのイヤ~な感触が頭に浮かんでくる。思い出したくもないのに。