武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。
人生長く生きるほどに増えるのが“後悔”です。私もそうですが、過去を振り返って「ああすればよかった」と悔やむ気持ちは、いつまでたっても残るもの。
では、後悔はしないほうがいいのかというと、さにあらず。『考えてはいけないことリスト』(堀田秀吾著・フォレスト出版)には、こうあります。
後悔は悪ではなく、未来を変えるための“心のリマインダー”である(堀田秀吾. 『考えてはいけないことリスト』. フォレスト出版, 2025=以下同)
著者はズバリ、「後悔は役に立つ」というんですね。最近の研究では、後悔の感情が私たちの生活にとって意外なほど価値があることが明らかにされたそうです。
後悔というのは、ぐちぐちと過去を振り返って落ち込むためのものじゃない。新たな可能性を考える重大なきっかけとなる。後悔することによって、自分の行動を修正し、感情に働きかけ、これからのモチベーションを高めることになりうる。
「もしもあのとき、ああしていればなぁ~」
を、自分を責める手段ではなく、自分を成長させるための気づきに変えること。そのときに後悔は価値あるものになる。つまり上手に後悔することで、人間は成長することができるんですね。
大事なことは“レジリエンス(回復力)”。精神的なレジリエンスを身につけること。
メンタルも身体の免疫力に似たところがあって、風邪を引いたり、はしかにかかったりしながら人間は免疫力を高めるように、後悔からパワーを得ることで精神的な回復力を身につけることができるといいます。
後悔というのは後ろを振り返るだけじゃない。前を向いて未来のために行動を変える原動力となる。