■アツアツ料理が夏にぴったりのおかずに

 凍らせておいしいと聞くと、どうしても菓子類をイメージしがちだが、甘い物だけではないと、前出の西川氏は言う。

「意外に思うかもしれませんが、生卵を殻ごとラップで包み、24時間以上冷凍してから完全に解凍すると、黄身が箸で持てるほど、もっちりと固まります。黄身が硬いのは凍っているからではなく、冷凍する過程で黄身の水分が白身側へ移り、黄身が凝縮して固まるためです。普通の卵かけご飯のようにトロリと流れるのではなく、“卵かけご飯”というより“卵のせご飯”に近いですね」

 いつもの卵かけご飯とは、まったく違う食感が楽しめるのだという。ただし、卵は冷凍すると水分が膨張して殻が割れることがある。ラップは中身が漏れた際に冷凍庫内を汚さないためのもので、衛生面には十分注意したい。

 凍らせるのとは少し違うが、キンキンに冷やすことでおいしくなる料理もある。

「温かいイメージが強いおでんも、冷やすとだしの味わいがすっきり、あっさりして、夏でも食べやすくなります。特におすすめは、だしをたっぷり吸った大根。和食店で出てくる冷たい煮物や前菜のような味わいになります」

 カレーうどんも、油分やとろみの少ない和風だし仕立てなら、冷たくして楽しめるという。

「普通のドロッとしたカレーは、冷やすと脂が固まり、口当たりが悪くなります。だしが多く、さらっとしたカレーうどんのつゆなら、冷やしてもすっきり食べられます」

 猛暑が続く今年の夏。身近な一品から、ひんやり新食感を楽しんでみては。

西川剛史(にしかわ・たかし)
冷凍生活アドバイザー、冷凍食品開発コンサルタント。冷凍専門企業「ベフロティ株式会社」代表取締役。冷凍食品会社で商品開発などに携わった後、冷凍の専門家として独立。「冷凍王子」の愛称で、テレビや雑誌など数多くのメディアに出演している。家庭での冷凍・解凍技術を体系的に伝えるほか、地方や中小企業の冷凍食品開発も支援。年間約1000品、累計1万品以上の冷凍食品を試食し、冷凍を活用した手軽で健康的な食生活を提案している。