■2メートル超の蛇行剣が意味することは!?

 現在の奈良県桜井市付近に広がる『纒向(まきむく)遺跡』は、3世紀初頭、奈良盆地東南部に突如として現れた大規模な集落跡です。東海地方をはじめ南関東から北部九州まで、日本列島の広い範囲に由来する土器が出土しています。全国から人や物が集まる中心地だった可能性が高く、大和王権の拠点の一つだったと考えられています。

 また、遺跡の周辺には、『箸墓(はしはか)古墳』をはじめとする古墳も点在しています。箸墓古墳は、墳丘の長さが約280メートルにも及ぶ、巨大な前方後円墳です。同時期に築かれたものの中では最大級ということなので、まさに権威の象徴ですよね。さらに、近年、新たな発見もありました。

 2022年、奈良市街地の西方にある『富雄丸山(とみおまるやま)古墳』から、蛇のように曲がりくねった刀身を持つ“蛇行剣”が出土したんです。全長237センチで、その大きさは東アジア最大級。4世紀に作られたもので、儀式や呪術に用いられたと考えられています。

 また、中国の空想上の動物“鼉龍(だりゅう)”が描かれた盾形銅鏡なども出土していて、いずれも、空白の150年の謎を解く手がかりとして注目を集めています。

 富雄丸山古墳の本格的な発掘調査が始まったのは、1970年代以降。今なお未知の部分が多く、さらなる発見が期待されます。ここから出土する品々が、いつか空白の150年を解き明かすかもしれません。

貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。